2014年03月06日
チョン・キョンファのベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲(コンドラシン)&ブルッフ:スコットランド幻想曲(ケンペ)
この記事をお読みになる前に、人気ブログランキングへワンクリックお願いします。
チョン・キョンファが鬼才コンドラシンと1979年に共演したベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲と、デビュー間もない頃の1972年に名匠ケンペと共演したブルッフの「スコットランド幻想曲」の録音。
ベートーヴェンは初出時、コンドラシン&ウィーン・フィルの初顔合わせ、さらにチョン・キョンファとの初コンビでも話題となった。
輝くばかりの音色と情熱的なアプローチで音楽の核心に肉薄するチョン・キョンファ。
このベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲でも入魂の演奏を聴かせてくれる。
遅いテンポで丁寧に情を通わせたベートーヴェンで、その中にチョンならではの深い表現が見られる。
やや線の細さはあるものの、緻密で磨き抜かれた音は美しい艶を帯び、フレージングにも硬さがなく、伸び伸びと、しかも強い集中力を反映させている。
聴き手に極度の緊張を要求し、享楽的な要素のほとんど感じられない、一途不可逆なひたむきさは、あるいは最も日本人の感性に適した演奏と言えるかもしれない。
刀の上を渡る曲芸や綱渡りを思わせるスリルが、チョンの演奏には確かにある。
コンドラシンの指揮も魅力があり、ウィーン・フィルの緊張感漲るドラマティックなサポートも万全。
彼の堂々たる解釈は骨太の音楽を形づくっており、力強く、優美で威厳がある。
カップリングのブルッフ「スコットランド幻想曲」は、チョンの名声を確立した録音で、その演奏は説得力に富んでいる。
強靭な意志が美しい緊張感を生み出し、緩急自在なフレージングはハイフェッツに次ぐ。
ケンペの指揮も力強く、風格がある。
いずれもデッカの優秀録音が音楽的で、サウンドそのものに音楽性を感じさせる。
ところで、クラシック音楽情報ならこちらがオススメです。
人気ブログランキング
フルトヴェングラーのCDなら、 フルトヴェングラー鑑賞室。