2014年03月10日
クレンペラー&フィルハーモニア管のベートーヴェン:交響曲第6番「田園」、「レオノーレ」序曲第1番
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クレンペラーならではのスケール雄大な名演だ。
このような歴史的な名演が、今般、シングルレイヤーによるSACD化されるというのは何と言う素晴らしいことであろうか。
EMIは、過去の名演を100種選定して、昨年末からSACD化して発売しているが、当該SACD化がハイブリッドであったのに対して、今般はより高音質化が望めるシングルレイヤーによるSACD化であり、加えてLP時代のカップリングやジャケットへの強い拘りも、高く評価されるべきであろう。
1957年というステレオ初期の録音ということもあり、クレンペラーの芸術が完成期を迎える(1960年代以降)少し前の録音ではあるが、ここでは、晩年のクレンペラーの堂々たる至芸を味わうことが可能である。
ゆったりとした微動だにしないインテンポは、沈み込んでいくような深みがあるが、それでいて、いわゆる「田園」ならではの明瞭さにいささかの不足もない。
むしろ、こうした深みのアプローチが、演奏に潤いとコクを与えている点を見過ごしてはならないであろう。
ワルターやベームの「田園」のような独特の愉悦感や優美さには欠けているかもしれないが、演奏の有する深みにおいては、ワルターやベームといえども一歩譲ると言える。
併録の「レオノーレ」序曲第1番も、ゆったりとしたテンポによるスケールの壮大な超名演だ。
そもそも、この楽曲には他に競合する名演が少ないこともあり、クレンペラーの独壇場とも言うべき名演と評価することも可能である。
音質は、1957年(序曲は1963年)のスタジオ録音であるが、従来CD盤でも、そして数年前に発売されたHQCD盤でも、比較的満足できるものであった。
ところが、前述のように、今般、待望のシングルレイヤーによるSACD化がなされるに及んで、圧倒的な高音質に生まれ変わった。
音質の鮮明さ、音場の幅広さ、そして音圧のいずれをとっても素晴らしい仕上がりであり、あらためてシングルレイヤーによるSACD盤の潜在能力の高さを思い知った次第である。
いずれにしても、クレンペラーによる素晴らしい名演を高音質SACDで味わうことができるのを大いに喜びたい。
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