2014年03月19日

セル&クリーヴランド管のベートーヴェン:交響曲第3番「英雄」&序曲集


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これは凄まじいまでに凝縮化された演奏だ。

セルは、トスカニーニを尊敬していたとのことであるが、かのトスカニーニの演奏を評してフルトヴェングラーが言ったとされる有名な言葉、「無慈悲なまでの透明さ」を見事に具現化した演奏と言えるのではないだろうか。

このような引き締まった筋肉質の演奏は、外見だけに限って言うと、かのムラヴィンスキー&レニングラード・フィルによる名演(1968年)にも比肩し得ると言えるだろう。

巷間「セルの楽器」とも称されたクリーヴランド管弦楽団の一糸乱れぬ精緻なアンサンブルが、かかる演奏の性格を更に助長することに貢献しており、ある意味ではこれほどまでに辛口で微笑まない「エロイカ」は、他にもあまり類例がないのではないかとさえ感じられるほどだ。

本演奏を従来CDで聴くと、1957年のスタジオ録音ということもあって、かなりデッドで色気がない音質であることから、血も涙もない無慈悲な演奏にも聴こえるところであった。

加えて、当時のクリーヴランド管弦楽団の鉄壁の演奏に、ある種の人工的な技巧臭も感じずにはいられなかった。

ところが、数年前に発売されBlu-spec-CD盤で聴くと、DSDリマスタリングがなされたこともあって、人工的な技巧臭などはいささかも感じさせず、演奏全体の凝縮化された堅固な造型には変わりがないものの、各フレーズには豊かな情感が込められているのを聴くことが可能であり、必ずしも無慈悲で血も涙もない演奏には陥っていないことがよく理解できるところである。

セルの芸術の真価を味わうためには、本演奏に限らず、高音質CDで味わうことが必要と言えるのかもしれない。

いずれにしても、こうしたBlu-spec-CD盤で聴く限りにおいては、本演奏は、セル&クリーヴランド管弦楽団という稀代の黄金コンビの全盛期の演奏の凄さを味わうことが可能であるとともに、引き締まった造型美と凝縮化された内容の密度の濃さを感じさせる圧倒的な名演であると高く評価したい。

併録の「エグモント」序曲 、序曲「コリオラン」、「シュテファン王」序曲の3曲についても、「エロイカ」と同様のアプローチによる引き締まった造型美と内容の充実度を感じさせる圧倒的な名演に仕上がっている。

音質は、前述のようにDSDリマスタリングを施した後に、Blu-spec-CD化が図られたことによって、劣悪な音質の従来CDに比して各段に鮮明な高音質に生まれ変わった。

このBlu-spec-CD盤は当サイトで、現在でも入手可能である。

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早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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