2014年04月17日
フルトヴェングラー&トリノRAIのチャイコフスキー:交響曲第5番/ワーグナー:「さまよえるオランダ人」序曲/夜明けとジークフリートのラインへの旅
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従来このフルトヴェングラーのチャイコフスキー「第5」の録音は、「演奏・音質共に芳しくない」と言われてきた。
しかし今回デルタ盤で聴き直してみて、音質はともかくとして、演奏自体には、やはりフルトヴェングラーの刻印を十分感じ取ることが出来た。
この演奏には、オーケストラの非力を超えて、ほの暗いドイツ人のの情念が感じられる。
その解釈がチャイコフスキー「第5」の曲想とは、若干異なるかも知れないが…。
筆者はこの録音に3つの意義を感じている。
第一には、言うまでも無く、この録音がフルトヴェングラーが遺した唯一のチャイコフスキー「第5」であることだ。
フルトヴェングラー没後50年以上が経過した現在、戦後の演奏会での録音が今後出現する可能性は非常に低いと考えられる。
第二には、極めてドイツ的なチャイコフスキー解釈になっていることだ。
1952年の夏に大病を患う直前のフルトヴェングラーはまだまだ元気一杯で、ハードスケジュールの中、熱気溢れる演奏を行なっている。
第三には、この演奏が、フルトヴェングラーがチャイコフスキー「第5」を指揮した生涯最後の機会であったことだ。
もしこの演奏が録音されていなければ、我々はフルトヴェングラーのチャイコフスキー「第5」の解釈を耳にすることが出来なかったのだ。
この録音が残されたことに感謝したい。
さらにもう一つ付け加えるとすれば、この録音はある理由で熱心なフルトヴェングラー・ファンの間では有名であった。
それは第4楽章コーダに入る直前の休止部で、聴衆の拍手が入っていることだ。
おそらく当時のイタリアの聴衆にとってチャイコフスキー「第5」はあまり馴染みのない曲目だったのであろう。
終了と勘違いした聴衆の拍手が録音されているのだ。
かつて発売された盤の中には、この拍手をノイズとしてカットしていたものが多かったが、本CDではオリジナルのまま拍手を残している。
それは1952年6月6日のコンサート会場で何が起ったかをそのまま残すことに、ライヴ発売の意味があるからだ。
本CDにはチャイコフスキー「第5」と同じ日のコンサートで演奏された、ワーグナーの2曲が含まれているが、いずれもウィーン・フィルとのスタジオ録音には及ばない。
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コメント一覧
1. Posted by アパレルの履歴書 2012年11月14日 23:27
とても魅力的な記事でした!!
また遊びに来ます!!
ありがとうございます。。
また遊びに来ます!!
ありがとうございます。。
2. Posted by 和田 2012年11月14日 23:50
アパレルの履歴書さん、コメントありがとうございます。
また気軽に読みに来て下さい。
また気軽に読みに来て下さい。