2014年03月15日

ホロヴィッツ&ワルターのブラームス:ピアノ協奏曲第1番/ミルシテイン&ホロヴィッツのブラームス:ヴァイオリン・ソナタ第3番


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ホロヴィッツ&ワルターのブラームスは驚くべき名演奏である。

1936年、アムステルダムに於ける実況録音で、若き31歳のホロヴィッツと、59歳のワルターががっぷり四つに組み、火花を散らして闘っているのだ。

それにしてもワルターの気迫は物凄く、凄まじい緊迫感にあふれたリズム、アクセント、速いテンポによる推進力、ティンパニの最強打、特に第1楽章のコーダは阿修羅のようだ。

しかもむきになって造型を崩すことがなく、アンサンブルもぴったりと決まっている。

ワルターはレコード録音と実演との差があまりなかった指揮者らしいが、このブラームスは特別な例なのだろうか。

新鋭の天才ピアニスト、ホロヴィッツとの協演、メンゲルベルクが君臨するアムステルダム・コンセルトヘボウへの客演など、種々の要素が絡み合って、このように火と燃えた演奏が可能になったのであろう。

このブラームスはあたかも鬼神が乗り移ったかのように、エネルギーを完全に音化し切っているのだ。

終楽章の歯切れの良いリズムや、興奮の極と言いたい加速の効果も見事だが、そうした迫力と共に、憧れにせつなく燃えつきる歌や、フルトヴェングラーを思わせるような聴こえないくらいのピアニッシモや、あえかな木管のデリカシーにおいても、ワルターは別人のように思い切った表情を見せるのである。

彼は客演のとき、そのオーケストラの特質を充分に生かす指揮者であった。

全曲にわたって、あのメンゲルベルク節とも言える、濃厚で脂切ったポルタメントやヴィブラートが頻出するのはその表れだが、もちろんワルターには様式ぶった人工的なテンポの動きは見られない。

ホロヴィッツの演奏もまさに言語を絶するすばらしさで、何よりも人間業を超えたテクニックの冴えに舌を巻くし、魔術的とさえ言えよう。

しかも技術に溺れず、音楽を最大限に生かし抜くのだ。

感じ切ったピアニッシモから超人的なフォルティッシモまで、表現の幅は著しく広く、自然なルバートが多用されて音楽を息づかせ、表情の強い歌や情感も決してワルターに負けてはいない。

そしてカデンツァでは猛然たるアクセントと共に、奔放な即興性さえ見せるのである。

第1楽章に100小節ほどのカットがあるが、これは録音盤の破損によるものらしく、残念だが仕方がない。

1950年の録音であるミルシテイン&ホロヴィッツのブラームスは、両者共に壮年期の演奏で、お互いにニュアンスのある表現を生み出しつつも、、細部にこだわらずに全体を通す、といった感が強く、そうした中での個性の生かし方がとても興味深い。

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早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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