2014年03月17日

モントゥー&ボストン響のチャイコフスキー:交響曲第5番、他


この記事をお読みになる前に、人気ブログランキングへワンクリックお願いします。



モントゥーは1950年代後半に、ボストン交響楽団とのコンビでチャイコフスキーの後期3大交響曲の録音を行なっており、それらはいずれもこの名指揮者の品格ある音楽性を存分に味わえる出来ばえだが、なかでも第5番の出来が素晴らしかった。

当盤はそのスタジオ録音と同日に行われたライヴ録音(1958年)であるが、モントゥーの数多い名盤中でも最右翼に位置するもののひとつだし、第5交響曲のディスクの中でも屈指のものと言えるだろう。

ここにはどんなドラマも及ばないほどの、人間の真実の恐れと苦悩がある。

ムラヴィンスキーのような純音楽的な再現ではないが、モントゥーはチャイコフスキーをほとんどベートーヴェンの域にまで引き上げたのである。

両端楽章はぶっきら棒と言って良いほど飾り気のない表現だが、ボストン交響楽団の充実した硬質な響きがモントゥーの芯の強い明快な音楽と合致し、少しの曖昧さもない名演を生み出した。

モントゥーはこのシンフォニーをロマンティックで幻想的なものとせず、現実的なそれとして指揮しているのだ。

中間の2つの楽章も個性的で、別にことさら大仰な身ぶり、手ぶりをしているわけではないのだが、至極当たり前の語り口がいつしか驚くほど底力のある表現力を身につけるまでに発展していく様が、何とも素晴らしい。

エレガントであらゆる音が生きて語りかけるワルツ楽章も良いが、それ以上にユニークなのは第2楽章である。

こんなに言いたいことがはっきりした、雄弁に物語る表現も珍しい。

全楽章にわたって、木管の音を抑えず、くっきりと奏し、金管のうめきをかえって明るい音色で強奏させ、音楽を確実に意味づける点も素晴らしい。

所謂チャイコフスキー的なアプローチとは違うが、音楽が完全にモントゥーのものと化し、芸術的に真実な自己表現として鳴り響いた名演と絶賛したい。

ところで、クラシック音楽情報ならこちらがオススメです。
人気ブログランキング



フルトヴェングラーのCDなら、 フルトヴェングラー鑑賞室



classicalmusic at 00:59コメント(0)トラックバック(0)チャイコフスキー | モントゥー 

トラックバックURL

コメントする

名前
 
  絵文字
 
 
メルマガ登録・解除
 

Profile

classicalmusic

早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

Categories
Archives
Recent Comments
記事検索
  • ライブドアブログ