2014年03月17日
バーンスタイン&ウィーン・フィルのモーツァルト:ピアノ協奏曲第15番/交響曲第36番<リンツ>
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まず、SACDシングルレイヤーとSHM−CDを組み合わせた本盤の超極上の高音質を高く評価したい。
本演奏は、もともと英デッカによる高音質録音であり、従来CDでもかなりの高音質を誇っていたが、その後、SACDハイブリッド盤、SHM−CD盤など、様々な高音質化への取り組みがなされてきた。
しかしながら、本盤は、これまでのCDとは一線を画する究極の高音質である。
演奏内容であるが、素晴らしい名演だ。
バーンスタインは、マーラー指揮者としては、歴史にも名が残る大巨匠と言えるが、他の作曲家の作品については、アメリカの作曲家など、一部を除いて疑問符をつけざるを得ないと考えている。
特に、ドイツ音楽は、雄弁ではあるが、底の浅さが目立つ浅薄な演奏が多く、名演とは言い難いものが多い。
ベートーヴェンやブラームスの交響曲全集など、ウィーン・フィルの力もあって、一定の水準には達しているとは思うが、大仰さだけが際立った演奏であり、せいぜい佳演という評価が精一杯。
シューマンは、作曲当時の病的な精神状態がマーラーのそれと似通った側面があるせいか、名演との評価は可能だと思うが、濃厚な表情づけのモーツァルトのレクイエムなど、凡庸な演奏には事欠かない。
しかしながら、そのような中でも、本盤は例外中の例外といった趣きの名演なのだ。
それには1966年という録音年代を考慮に入れる必要があるだろう。
バーンスタインも、ウィーン・フィルにデビューしたばかりであり、「リンツ」などウィーン・フィル任せでほとんど指揮しなかったであろうし、ピアノ協奏曲第15番におけるピアノも、ウィーン・フィルの演奏に合わせた印象を受ける。
こうした自我を抑えた謙虚な姿勢が、皮肉にも、このような素晴らしい名演を生み出したと言える。
当時のウィーン・フィルは、カラヤンを失い、カラヤンに対抗し得るスター指揮者の発掘にやっきとなっていたが、そうした力強い意気込みが、ウィーン・フィルをして、このような名演奏を成し遂げさせたのだとも言えよう。
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