2014年03月23日

ショルティ&ロンドン・フィルのホルスト:組曲「惑星」、エルガー:威風堂々第1番-第5番


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ホルストの組曲『惑星』は、豪壮華麗なオーケストレーションが施されたいかにもショルティ向きの作品であるにもかかわらず、本演奏のみの一度しか録音を行っていない。

しかも、録音年代は1978年。

シカゴ交響楽団の音楽監督として最も脂の乗っていた時期であるにもかかわらず、オーケストラとしてシカゴ交響楽団を起用せずに、敢えてロンドン・フィルを起用したというのは大変に意外である。

もちろん、ロンドン・フィルはショルティにとって大変縁のあるオーケストラであり、エルガーの2つの交響曲のほか、本盤に収められた行進曲『威風堂々』、エニグマ変奏曲なども同オーケストラと録音している点を考慮すれば、ショルティは、楽曲によってオーケストラを使い分けていたということが言えるのかもしれない。

そして、それ故にこそ、英国王室の「サー」の称号も得ているショルティは、ホルストの組曲『惑星』をあくまでも純然たる英国音楽として捉え、当時一般に流布しつつあったオーケストラ演奏の醍醐味を味わわせてくれるショーピースのような演奏に背を向け、英国音楽としての矜持を保って格調高く描き出そうとしたのかもしれない。

ショルティの本演奏におけるアプローチは、例によって、強靭なリズム感とメリハリの明瞭さを全面に打ち出したものであるが、いかなるトゥッティの箇所に至っても、同時期のシカゴ交響楽団との演奏の一部に聴かれるようないささか力づくとも言うべき強引さが殆どなく、前述のような格調の高さを損なっていないのが素晴らしい。

もっとも、「火星」などにおける強靭な迫力には凄味があるし、他方、「金星」や「海王星」における英国の詩情に満ち溢れた美しさにも抗し難い魅力が満ち溢れており、各楽曲毎の描き分けの巧みさにおいても秀逸なものがあると言えるだろう。

いずれにしても、本演奏は、いい意味での剛柔のバランスと格調の高さが支配した演奏とも言えるところであり、ショルティがその後、シカゴ交響楽団と再録音しなかった理由を窺い知ることが可能な素晴らしい名演に仕上がっていると高く評価したい。

そして、必ずしも一流とは言い難いロンドン・フィルが、ショルティの確かな統率の下、持ち得る実力を最大限に発揮した好パフォーマンスを発揮しているのも、本名演に華を添える結果となっていることを忘れてはならない。

行進曲『威風堂々』は、演奏全体をいかにもショルティならではの強靭なリズム感とメリハリの明瞭さで一貫しており、どこをとっても曖昧な箇所がなく、明瞭で光彩陸離たる音響に満たされた圧倒的な名演に仕上がっている。

音質も英デッカによる極めて優秀なものであり、ルビジウム・クロック・カッティングによって更に鮮明さが増したと言えるところだ。

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早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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