2014年07月16日

ラトルのビゼー:歌劇「カルメン」[SACD]


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かつてのCD全盛時代においては、膨大な数の新譜CDの発売が毎月のようになされていたが、近年においては殆ど数えるほど。

かつての名演の高音質化や大指揮者のライヴ録音の発掘などが大半(それも素晴らしいことではあるが)で、ネット配信が隆盛期を極める中で、CDにとっては極めて厳しい時代が続いていると言えるだろう。

そのような中で、膨大な投資を必要とするオペラの新譜が激減しているのは必然的とも言えるところであり、ましてや国内盤の新譜にオペラCDが登場すること自体が、もはや奇跡に近い状況にあるとさえ言えるだろう。

その意味では、本盤に収められた歌劇「カルメン」全曲の登場はにわかには信じ難い出来事。

ましてや、現代最高の黄金コンビとも言えるラトル&ベルリン・フィルによる演奏という豪華な布陣にはただただ驚くばかりだ。

前述のような厳しい時代だけに、この黄金コンビとしてもオペラの録音は何と10年ぶり2度目。

かつてのカラヤンやアバドが、自らの膨大なオペラ・レパートリーをベルリン・フィルとともに録音していたことを考えると、まさに隔世の感があるとも言えるだろう。

それだけに、この黄金コンビにとっても満を持してのオペラ録音ということになるのであろうが、演奏も素晴らしい。

何よりも、ラトルが芸術監督に就任してから10年を経て、いよいよベルリン・フィルを完全掌握している好調ぶりが如実にあらわれている。

カラヤン時代のような重厚さはないが、少なくともアバド時代と比較するとオーケストラの力感は十分に圧倒的であり、何よりも卓越した技量に裏打ちされた、各場面毎のいい意味での柔軟性に富んだ機能性の凄さは、かのカラヤン時代さえ凌いでいるとさえ言えるのではないだろうか。

ラトルの現代的な感覚の鋭さ、そしてベルリン・フィルの伝統に卓越した技量と伝統に裏打ちされた柔軟性と機能性が見事にマッチングして、まさに清新な歌劇「カルメン」像の確立に成功しているとも言える。

ベルリン・フィルやウィーン・フィルとともに同曲の超名演を遺したカラヤン、そしてロンドン交響楽団とともに強靭な生命力と豊かな歌謡性を併せ持った稀有の名演を成し遂げたアバドによる演奏とはひと味もふた味も異なる演奏と言えるが、あざとさをいささかも感じさせない現代的なセンスに溢れた本演奏は、まさにラトル&ベルリン・フィルという稀代の名コンビぶりとともに、21世紀における新しい歌劇「カルメン」像を確立したという意味において、偉大な両先輩による名演にも比肩しうるだけの素晴らしい名演に仕上がっていると高く評価したい。

歌手陣も、いわゆるラトルの旗本とも言えるコジェナーやカウフマンなどが圧倒的な名唱を披露しており、ベルリン国立歌劇場合唱団の秀逸さも相俟って、最高のパフォーマンスを発揮していると評価したい。

そして、音質はSACDによる圧倒的な超高音質だ。

歌手陣の細やかな息遣い、そして独唱、合唱、オーケストラ演奏のそれぞれが明瞭に分離して聴こえるのはさすがはSACDと言うべきであり、音質の鮮明さ、音場の拡がり、音圧の凄さのどれ一つをとっても超一級品の仕上がりになっている。

いずれにしても、現代最高の黄金コンビであるラトル&ベルリン・フィル等による歌劇「カルメン」の圧倒的な名演を、最高の高音質SACDで味わうことができる喜びを大いに噛みしめたい。

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classicalmusic

早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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