2014年03月18日

バルビローリ&ハレ管のシベリウス:管弦楽曲集(SACD)


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本盤には、シベリウスを十八番としたバルビローリによる管弦楽の小品が収められているが、いずれも素晴らしい名演と高く評価したい。

バルビローリのシベリウスは、そのヒューマニティ溢れる温かさが魅力である。

それは交響曲において特に顕著ではあったが、管弦楽小品においても同様であり、どの演奏においてもバルビローリならではの人間的な温もりが感じられると言っても過言ではあるまい。

もっとも、だからと言って穏健な演奏に終始しているわけではないことに留意しておく必要がある。

例えば、冒頭に収められた交響詩「フィンランディア」は、冒頭から途轍もないエネルギッシュな力感溢れる演奏で開始される。

終結部のトゥッティに向けて畳み掛けていくような力奏も圧倒的な迫力を誇っており、バルビローリのこの演奏にかける灼熱のように燃え上がるような熱き情熱が感じられるのが素晴らしい。

中間部の讃美歌はいかにもバルビローリならではの温もりのある情感に満ち溢れており、本演奏はいい意味での剛柔バランスのとれた名演に仕上がっていると高く評価したい。

組曲「カレリア」は、シベリウスの初期の作品ということもあって、どちらかと言うと颯爽とした趣きの演奏が多いが、本演奏はまさに「歌う英国紳士」の面目躍如たる情感の豊かさが全体を支配している。

それでいて、いささかも感傷的に流れるということはなく、どこをとっても高踏的な美しさを湛えているのが素晴らしい。

いずれにしても、本演奏は、演奏の内容の密度の濃さから、同曲演奏史上でもトップの座を争う名演と高く評価したい。

他の諸曲も素晴らしい名演であり、例えば、「悲しきワルツ」の楽曲の心眼に踏み込んでいくような深遠な演奏や、交響詩「ポホヨラの娘」や「レミンカイネンの帰郷」の荒々しささえ感じさせる気迫溢れる力強い演奏も凄い。

とりわけ、「レミンカイネンの帰郷」を聴いて、バルビローリの指揮で交響詩≪4つの伝説曲≫全体を通して聴きたいと思った聴き手は筆者だけではあるまい。

ハレ管弦楽団も部分的には、ブラスセクションの荒っぽさや弦楽合奏のアンサンブルなどにおいて若干の問題がないわけではないが、これだけの名演奏を繰り広げたことを考えれば文句は言えまい。

録音は、リマスタリングを繰り返してきたこともあってとりあえずは満足し得る音質であるが、今般、ついに待望のSACD化が行われることによって大変驚いた。

従来CD盤とは次元が異なる見違えるような、そして1960年代のスタジオ録音とは到底信じられないような鮮明な音質に生まれ変わった。

バルビローリによる演奏の最大の美質でもある弦楽合奏の美しさが艶やかに表現されているのは殆ど驚異的ですらあると言えるだろう。

もっとも、ハレ管弦楽団のブラスセクションのいささかきめの細かさを欠いた荒っぽい演奏ぶりが高音質化によってさらに露わになったのは玉に傷とも言えるが、いずれにしても、バルビローリによる至高の名演を、SACDによる高音質で味わうことができるのを大いに歓迎したい。

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classicalmusic

早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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