2014年03月19日

フルトヴェングラー&北ドイツ放送響のブラームス:交響曲第1番/ハイドンの主題による変奏曲(SACD)


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フルトヴェングラーが最も得意としたレパートリーは、何と言ってもベートーヴェンの交響曲であったが、次いで得意としていたのはワーグナーとこのブラームスの交響曲であったのではないだろうか。

その中でも、ベートーヴェンの交響曲第10番との異名を持つ交響曲第1番を十八番としていたのは、十分に理解できるところだ。

それだけに数多くの録音を遺しており、10種類もの録音が確認されているところである。

筆者としても、その殆どをこれまで聴いてきたところであり、いずれ劣らぬ名演であるが、問題はその大半の音質が今一つであり、フルトヴェングラーの芸術の本領を味わうには心もとない状況にあった。

その中でも、本盤の演奏は、フルトヴェングラーは北ドイツ放送交響楽団に客演した唯一の演奏であるが、10種類ものフルトヴェングラーの同曲演奏の中では音質においても恵まれていることもあって、代表盤の地位を占めていたところである。

しかしながら、昨年よりEMIやユニバーサルがフルトヴェングラーの過去の名演のSACD化を行い、ブラームスの交響曲第1番については、ウィーン・フィルとのライヴ録音(1952年1月)、ベルリン・フィルとのライヴ録音(1952年2月)のSACD化が行われた。

もっとも、必ずしも最新録音というわけにはいかないが、少なくとも従来CD盤との違いは明らかであり、これによって、フルトヴェングラーによる同曲演奏の魅力を比較的満足できる音質で味わうことができることになり、この2つのSACD盤がフルトヴェングラーによる同曲演奏の代表盤の地位を占めることになったと言っても過言ではあるまい。

したがって、本盤の演奏の影がかなり薄くなったところであったが、今般、ついにターラレーベルが本演奏をSACD化することになった。

演奏自体も極めて優れたものであっただけに、今般のSACD化によって、かつての代表盤としての地位を取り戻すことになった意義は極めて大きいと言わざるを得ない。

それにしても、本演奏は素晴らしい超名演だ。

冒頭から重厚にして濃厚なフルトヴェングラー節が全開。

終楽章の圧倒的なクライマックスに向けて夢中になって畳み掛けていく力強さは圧倒的な迫力を誇っている。

また、どこをとっても豊かな情感に満ち溢れており、その深沈とした奥行きや彫りの深さは、まさに神々しいばかりの崇高さを湛えている。

いずれにしても本盤の演奏は、フルトヴェングラーによる同曲最高の超名演と高く評価したい。

併録のハイドンの主題による変奏曲も、効果的なテンポの振幅や、彫りの深い表現を駆使したフルトヴェングラーならではの圧倒的な超名演と評価したい。

音質は、前述のように、今般のSACD化によって見違えるような良好な音質になった。

もちろん最新録音のようにはいかないが、弦楽器の艶やかな音色には抗し難い魅力に満ち溢れており、あらためてSACDの潜在能力の高さを思い知った次第である。

いずれにしても、フルトヴェングラーによる至高の超名演を、SACDによる高音質で味わうことができるのを大いに歓迎したい。

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早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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