2014年04月28日
フルトヴェングラー&ベルリン・フィル/ブラームス:交響曲第2番、第3番(SACD)
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今般のフルトヴェングラーによるブラームスの交響曲全集(EMI)のSACD化に当たって、最も高音質化の効果が著しかったのは、「第1」と「第4」であり、その両者に挟まれた本盤はやや分が悪いと言えるが、それでも、これまでのリマスタリングCDと比較すると、次元の異なる良好な音質に生まれ変わったものと高く評価したい。
マスターテープの状態や録音年の違いもあるが、「第2」の方が、より音場に拡がりがあり、「第3」の方は、ノイズを抑えた分だけ、ややダイナミックレンジが狭まった感じがしないでもない。
「第2」の場合は、特に高音にピークがあり、やや音質が濁る傾向があるが、弦楽器など艶やかで実に鮮明な音質に蘇っており、十分に満足し得る音質である。
演奏内容についてであるが、「第2」も「第3」も、フルトヴェングラーが必ずしも数多く指揮しなかった楽曲であることもあり、遺された音源も本盤を含め限られるが、こうして高音質化したSACDを拝聴すると、あらためて、この巨匠の演奏の素晴らしさを大いに感じることができる。
「第2」は、第1楽章と第2楽章は自我を抑制した印象を受ける。
フルトヴェングラーのライヴとしては珍しいが、それでも、むせ返るような弦楽合奏の抒情は、至高・至純の美しさを湛えている。
第3楽章の終結部の大きなリタルランドは、大見えを切るようないつものフルトヴェングラーであるが、これは終楽章の熱狂への橋渡しと考えられないわけではない。
そして、終楽章は完全なフルトヴェングラーの独壇場で、冒頭から、夢中になって突き進んでいき、終結部の猛烈なアッチェレランドは、かの名演の誉れ高いワルター&ニューヨーク・フィル盤と同格の迫力と言える。
「第3」は、冒頭から、フルトヴェングラー節が全開。
第2楽章や第3楽章のむせ返るような抒情も美しさの極みであるし、終楽章の熱狂も、さすがはフルトヴェングラーならではの圧巻の至芸と言える。
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