2014年04月28日
フルトヴェングラー&ウィーン・フィル/ブラームス:交響曲第1番、ハイドンの主題による変奏曲、ハンガリー舞曲より(SACD)
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フルトヴェングラーは、ベートーヴェンとともに、ブラームスの交響曲も数多く演奏し、録音もかなりの点数が遺されているが、最もフルトヴェングラー向きの交響曲を掲げるとすれば、やはり「第1」ということになるのではなかろうか。
ベートーヴェンの「第10」と評されたことからもわかるように、ベートーヴェンを意識して作曲された交響曲でもあり、フルトヴェングラーとしても、アプローチのしやすい楽曲であると考えられるからである。
ライナーノーツの解説にもあるように、フルトヴェングラーは10種類もの録音が確認されているようである。
筆者も、そのうち、かなりの点数を聴いてはきたが、音質がいずれもイマイチであり、フルトヴェングラーの本領が発揮された演奏とは言い難いものがあった。
しかしながら、ついに、本盤の登場によって、長年の渇きが癒された。
今般の高音質のSACD盤によって、彫りの深いフルトヴェングラーならではの深みのある表現をかなり鮮明に聴き取ることが可能になったからだ。
特に、弦楽器の艶やかな響きが素晴らしく、これは、既発のCDとは全く次元の異なるものである。
全体的にオンマイクのような感じで、音場の拡がりがあまりなく、特に重要なホルンの音色が弱いのが気にはなるが、それでも、これだけの鮮明な音質に生まれ変わったのだから文句は言えまい。
次いで、音質がいいのは、ハンガリー舞曲の3曲。
このしたたるような弦合奏の厚みのある響きは、従来CDには全く聴かれなかったものだ。
ハイドンの主題による変奏曲は、演奏自体はドラマティックな豪演であり、フルトヴェングラーの個性が全開の超名演であるが、今般の収録曲の中では、音質改善効果が一番少ないとも言える。
特に、高弦がきつく聴こえるのが残念ではあるが、それでも、従来CDと比較するとかなりのレベルにまで改善されたと言えるのではないか。
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