2014年03月21日

フルトヴェングラー&ウィーン・フィル/R.シュトラウス:管弦楽曲集/モルダウ(SACD)


この記事をお読みになる前に、人気ブログランキングへワンクリックお願いします。



これまでの既発売のフルトヴェングラーでは考えられないような超高音質SACDの登場を大いに歓迎したい。

弦楽合奏の圧倒的な重量感、高弦の艶やかな響き、金管楽器や木管楽器のブリリアントな響きなど、とても1950年代の録音とは信じられないような鮮明な音質に生まれ変わった。

特に、R・シュトラウスの3曲は、もともとフルトヴェングラーの数ある録音の中でも比較的音質が良いことで知られていただけに、その効果は一層絶大で、最新録音に匹敵するような鮮度を誇っていると言っても過言ではあるまい。

おそらくは、フルトヴェングラーSACDシリーズの中でも白眉の高音質と言えるだろう。

いずれにしても、今般のフルトヴェングラーの遺産の一連のSACD化に向けてのEMIの取り組みは、フルトヴェングラーの圧倒的な名演だけにその意義は極めて大きく、まさに歴史的な偉業と高く評価したい。

「モルダウ」は、決して急ぐことがないゆったりとしたインテンポによる彫りの深い、そして雄渾な名演であるが、かかるフルトヴェングラーの卓越した至芸を鮮明な音質で堪能できるのが素晴らしい。

特に、終結部の急流の部分は、従来CDだと音が団子状態でよく聴き取れないのが難点であったが、本盤においては相当程度分離して聴こえるのが見事。

「ドン・ファン」は、冒頭の輝かしい響きの何という鮮明さ。

その後は、各管楽器、弦楽器がクリアに分離して聴こえるのは驚異的であるし、低弦による迫力ある鮮明な響き、そしてソロヴァイオリンによるシルキーな美音には抗し難い魅力がある。

ホルンの朗々たる響きも、古めかしさをいささかも感じさせない。

フルトヴェングラーによる同曲の真髄を徹底的して追求することに根差した彫りの深い濃密な表現が、今般の高音質化によって鮮明に再現された意義は極めて大きいと言うべきであり、同曲には圧倒的な音のドラマを構築したカラヤンの名演もあるが、筆者としては、一概に優劣は付け難いものの今後は本盤の方を愛聴したいと考える。

「ティル」も圧巻の高音質で、冒頭のホルンの音色が、従来CDだといささか古めかしく聴こえたが、本盤ではそのようなことはなく、音の鮮度が保たれているのは素晴らしい。

その後も、金管楽器の生々しい響き、木管楽器の艶やかな響き、打楽器の迫力は唖然とするほどで、トゥッティにおいて、各楽器が鮮明に分離して聴こえるのは凄いの一言。

フルトヴェングラーの表現は、「ドン・ファン」と同様に彫りの深い濃厚さが支配しており、今般の高音質化によって、間違いなく同曲最高の名演の地位を獲得したと言っても過言ではないのではないか。

「死と変容」は、フルトヴェングラーならではの壮絶にしてドラマティックな名演であるが、従来CDだと、特にトゥッティの箇所で、音がやや団子状態になるなど、今一つその至芸を満喫することが困難な面もあった。

しかしながら、今般の高音質化によって、フルトヴェングラーが表現する死との凄まじい闘いや生についての天国的な美しさが、我々聴き手の肺腑を打つのに十分な力感溢れる高音質に生まれ変わっており、本名演の価値をより一層高いものとしたと言えるのではないか。

ところで、クラシック音楽情報ならこちらがオススメです。
人気ブログランキング



フルトヴェングラーのCDなら、 フルトヴェングラー鑑賞室



classicalmusic at 23:06コメント(0)トラックバック(0)R・シュトラウス | フルトヴェングラー 

トラックバックURL

コメントする

名前
 
  絵文字
 
 
メルマガ登録・解除
 

Profile

classicalmusic

早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

Categories
Archives
Recent Comments
記事検索
  • ライブドアブログ