2014年07月03日
フルトヴェングラー&ウィーン・フィル/モーツァルト:交響曲第40番、ハイドン『驚愕』、他(SACD)
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素晴らしい高音質SACDの登場だ。
フルトヴェングラーの遺産をSACD化するという歴史的な偉業は、第1弾のベートーヴェン、ブラームス、ワーグナーにおいて、これまでのCDとは一線を画する高音質化に成功していたが、第2弾においても、同様に目覚ましい成果をあげている。
グルックの「アルチェステ」序曲及び「オーリードのイフィジェニー」序曲の弦楽合奏の太い芯が一本通ったような厚みのある音質からして、これまでのCDとは次元の異なる驚異的な高音質だ。
高弦の艶やかな響きも鮮明に再現されており、フルトヴェングラーのロマンティシズムに満ち溢れた名演を望み得る最高の音質で味わうことができるのが素晴らしい。
モーツァルトの第40番は、グルックと比較すると録音年代が古いことから、音場がやや狭いのが残念ではあるが、それでも、既発CDと比較すると、弦楽合奏など段違いに鮮明な音質に生まれ変わっており、この当時の録音としては、最高の音質であると評価したい。
フルトヴェングラーのモーツァルトは、世評においては決して高いものとは言えなかったが、本盤のような鮮明な高音質録音で聴くと、フルトヴェングラーなりによく考え抜かれた、気迫溢れる名演であることがよくわかる。
「魔笛」は、オーケストラとリップの独唱が鮮明に分離して聴こえるのが、フルトヴェングラーのCDとしては驚異的。
フルトヴェングラーのうねるような熱い音楽が、2曲のみの抜粋ではあるが、「魔笛」の真髄を見事に描出しているのが素晴らしい。
これを聴いて、例えば「ドン・ジョヴァンニ」の全曲などをSACD化して欲しいと思った聴き手は筆者だけではあるまい。
ハイドンの交響曲第94番も、グルックほどではないが、十分に満足し得る高音質。
従来のCDだと音が団子状態になっていた箇所も鮮明に再現されることになり、これによって、フルトヴェングラーの定評ある濃密で彫りの深い、そして雄渾な名演を望み得る最高の音質で堪能できることを大いに喜びたい。
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