2014年12月01日

フルトヴェングラー&ベルリン・フィル/チャイコフスキー:交響曲第6番『悲愴』(SACD)


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驚天動地の超高音質SACDの登場だ。

これがSP復刻による1938年の録音とはとても信じられない。

フルトヴェングラーが遺したチャイコフスキーの「悲愴」の録音としては、本盤といわゆるカイロ盤(1951年のライヴ、DG)の2種が存在し、いずれ劣らぬ名演ではあるが、ライヴ録音ということもあり、どちらかと言えばドラマティックなカイロ盤の方を上位に置く評者が多かったのではないかと思われる。

しかしながら、今般の高音質化を持って、フルトヴェングラーの魔法のような至芸を鮮明な音質で味わうことが可能となったことにより、筆者としては、本盤の方をより上位に置きたいと考える。

SP復刻に起因するテープヒスは若干あるものの、第1楽章冒頭のファゴットの生々しい音色からして大変驚かされる。

第1主題のトゥッティでは若干音は歪むが、それでも既発CDとは段違いの良好な音質だ。

第2主題の弦楽合奏は艶やかに響くし、その後の木管楽器の響きも実にブリリアント。

展開部も音が殆ど歪まず、金管楽器や弦楽器が見事に分離して聴こえるのは圧巻であり、特に、展開部の終わりにおける低弦の動きが鮮明に再現されるのは驚異的ですらある。

ここでのドラマティックな表現は、フルトヴェングラーの面目躍如といったところである。

第2楽章冒頭の弦楽による厚みのある演奏は、音に一本芯が通ったような力強さが印象的。

その後の高弦による艶やかな響きには抗し難い魅力がある。

それにしても、中間部を超スローテンポで演奏するなど、第2楽章におけるフルトヴェングラーの表現は濃厚さの極みであり、この濃密で彫りの深い表現は、チャイコフスキーの真髄に迫る至高・至純の指揮芸術と高く評価したい。

第3楽章は、中間部で、おそらくはマスターテープに起因するであろう音圧の低下があるのは残念ではあるが、全体として各楽器が鮮明に分離して聴こえるのが素晴らしい。

特に、後半のトゥッティにおいて音の歪みが殆ど聴かれず、ブラスセクションがブリリアントに響きわたるのは凄まじいの一言。

終結部に向けての猛烈なアッチェレランドは、フルトヴェングラーならではの圧巻の至芸だ。

終楽章の慟哭のような弦楽合奏の深みのある音は、本高音質SACDを持ってはじめて再現されるものだ。

若干の音の歪みはあるが、さほど気にはならない。

トゥッティに向けてのアッチェレランドを駆使した圧倒的な盛り上がりは、フルトヴェングラーならではの卓越した至芸であるが、タムタムによる一撃や消え入るような終結部なども含め、既発CDとは次元の異なる鮮明な高音質で再現されるのは見事というほかはない。

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早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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