2014年03月22日

フルトヴェングラー/ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第5番「皇帝」(フィッシャー)、モーツァルト:ピアノ協奏曲第20番(ルフェビュール)、他(SACD)


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フルトヴェングラーによる交響曲や管弦楽曲のSACD化に引き続き、今回のSACD化シリーズは協奏曲や管弦楽伴奏付きの歌曲が中心だ。

クラシック音楽業界が不況にあり、ネット配信の隆盛によりパッケージメディアの権威が大きく揺らいでいる中でのEMIによるこのような果敢な取り組みは、大いに賞賛に値する。

本盤には、エドウィン・フィッシャーと組んだベートーヴェンのピアノ協奏曲第5番と、ルフェビュールと組んだモーツァルトのピアノ協奏曲第20番、そしてフルトヴェングラーによる自作自演である交響的協奏曲が収められている。

いずれも素晴らしい名演と高く評価したい。

このうちベートーヴェンは、まさにフルトヴェングラーの独壇場と言える。

ピアノの伴奏箇所においては、エドウィン・フィッシャーのピアノを引き立てる立場に徹しているようにも感じられるが、オーケストラ単独の箇所はフルトヴェングラー節が全開。

オーケストラはフィルハーモニア管弦楽団であるが、このイギリスのオーケストラからドイツ風の重心の低い音色を引き出し、音楽の構えの大きい雄渾なスケールの演奏を行っている。

スタジオ録音ということもあり、ライヴ録音の時のような猛烈なアッチェレランドなどは影を潜めてはいるが、重厚にして力感溢れる演奏は、いかにもフルトヴェングラーの音楽ならではの奥行きの深さを誇っている。

エドウィン・フィッシャーのピアノも、フルトヴェングラーの指揮にはいささかも引けを取っておらず、生命力溢れる力強さの中にも崇高な深みを感じさせるピアニズムが見事である。

他方、モーツァルトは、必ずしもフルトヴェングラーが得意とする作曲家とは言えないが、本盤に収められたピアノ協奏曲第20番はそうした通説を覆すほどの名演だ。

これには、ピアノ協奏曲第20番という楽曲の性格に起因するところが大きいと思われる。

本演奏における冒頭は慟哭に聴こえるし、その後も思い切った強弱や適度なテンポの変化などドラマティックな表現も散見されるが、音楽がいささかも矮小化することはなく、スケールの雄大さを失っていないのは、フルトヴェングラーだけが成し得た卓越した至芸の賜物と言える。

ルフェビュールのピアノも、むしろフルトヴェングラーの指揮と歩調を合わせるように、強靭な打鍵から繊細な抒情に至るまで、豊かな表現力を披露しているのが素晴らしい。

録音については、既発CDはピアノの音は比較的よく聴きとることができたが、フルトヴェングラー指揮のオーケストラの音がやや判然としなかったと言わざるを得なかった。

しかしながら、今般のSACD化によって、ピアノの音色もよりクリアになるとともに、オーケストラの音が非常に鮮明になった。

このような歴史的な名演を、望み得る最高の高音質SACDで味わうことができることを大いに喜びたい。

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早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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