2014年07月19日

フルトヴェングラー&ウィーン・フィル/モーツァルト:アイネ・クライネ・ナハトムジーク、グラン・パルティータ(SACD)


この記事をお読みになる前に、人気ブログランキングへワンクリックお願いします。



本盤に収録されたモーツァルトの2曲については、これまで幾度となくリマスタリングが繰り返されてきたが、それらとは一線を画する素晴らしい超高音質SACDの登場を大いに歓迎したい。

「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」は、録音が1949年ということもあり、マスターテープの保存状態がかなり良かったのではなかろうか。

何よりも、弦楽合奏の音に一本芯が通ったような力感が増したのが何よりも大きい。

そして、高弦の響きは艶やかで美しさの極み、トゥッティに差し掛かっても音が歪むことがないのが素晴らしい。

演奏は、いわゆるモーツァルト演奏に必要不可欠とされている優美さや繊細さを基調としたものではなく、いかにもフルトヴェングラーならではのロマンティシズム溢れる濃厚なものだ。

しかしながら、雄渾なスケールと彫りの深さにおいては、他のどの演奏よりも際立ったものがあり、本演奏を個性的な名演と評価するのに筆者としてはいささかも躊躇しない。

「グラン・パルティータ」は、さらに2年遡る1947年の録音であるが、これまた驚異的な高音質だ。

戦後間もなくとはとても信じられないような鮮明な音質に唖然としてしまうほどだ。

各管楽器がブリリアントに響くのは圧巻の一言であり、トゥッティにおいても音が歪むことは殆どない。

ここでのフルトヴェングラーの演奏においては、「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」のような濃厚な味付けは聴かれず、むしろ優美にして颯爽としたものと言える。

それでいて、厳しい造形美や楽曲の核心を抉り出していくが如き彫りの深さは健在であり、今般の高音質化によって、同曲のトップの座を争う名演になったと評価しても過言ではないのではなかろうか。

また、古き良き時代のウィーン・フィルの各奏者が奏でる美音を聴くことができるのも本盤の魅力であり、それらを望み得る最高の音質で味わえることの喜びを大いに噛みしめたい。

ところで、クラシック音楽情報ならこちらがオススメです。
人気ブログランキング



フルトヴェングラーのCDなら、 フルトヴェングラー鑑賞室



classicalmusic at 00:28コメント(2)トラックバック(0)モーツァルト | フルトヴェングラー 

トラックバックURL

コメント一覧

1. Posted by Kasshini   2015年01月11日 15:39
Youtubeで、グラン・パルティータをこの演奏で生まれて初めて聴きました。
モーツァルトで、ゆったりできる曲ということで探して見つけたのですが、吉田秀和氏の名曲300選に選ばれているのですね。
さて、木管の掛け合いに、モーツァルト最もお気に入りのひとつピアノと管楽器のための五重奏曲への萌芽を感じたり、短調のフレーズの中に、交響曲第40番にも通じるものを感じたり、楽園を思わせる美しさにうっとりしました。私のような、クラリネット、ホルン偏愛者にはたまりません。バセット・ホルンの低域も堪能できました。
ところで、この音源は疑似ステレオでしょうか。旧EMiのフルヴェンで疑似ステレオが多かったのと、Twitterでそうかどうか聴かれましたので。
2. Posted by 和田   2015年01月11日 19:01
旧EMIのSACD盤はモノーラル音源です。
このフルトヴェングラー盤は、ウィーン・フィルの管楽器グループが、モーツァルトの音楽の心をしっかりとつかんだ名演です。
付け加えるならば、この演奏は全体にやや腰が重く、リラックスした気分に幾分乏しい気はしますが、やはりフルトヴェングラーならではの風格があり、そうしたところに強く惹かれます。
特に、主題と6つの変奏からなる第6楽章の変化に富んだ表情の美しさは格別です。
それに当時のウィーン・フィルの管楽器奏者たち(カメッシュ、ウラッハ、エールベルガーなど)による合奏が実に素晴らしく、そのぴったりと息の合った優雅な演奏に惚れ惚れしてしまいます。
とはいえ、現代でもこれだけの管楽器の名手たちを揃えることは、大変難しいと言われています。
そこでおすすめしたいのが、アーノンクールがグラン・パルティータの録音のためにわざわざ結成した団体(ウィーン・モーツァルト管楽合奏団)による演奏です。
これはアーノンクールの同曲にかける並々ならぬ意気込みが直截に伝わってくる演奏で、フルトヴェングラー盤のウィーン風の演奏とはまた一味もふた味も異なった、実に彫りの深い音楽をつくっています。

コメントする

名前
 
  絵文字
 
 
メルマガ登録・解除
 

Profile

classicalmusic

早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

Categories
Archives
Recent Comments
記事検索
  • ライブドアブログ