2014年03月23日

ポリーニのショパン:24の前奏曲(新盤)、他


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ポリーニの円熟を感じさせる素晴らしい名演だ。

本盤に収められているショパンのピアノ曲は、筆者の記憶が正しければ、4つのマズルカを除けば、ポリーニにとって2度目の録音ということになる。

メインの前奏曲集については、ポリーニの名声を確固たるものとした1974年のスタジオ録音以来、約35年ぶりの再録音。

2つの夜想曲は、2005年の全曲録音以来6年ぶりの再録音。

スケルツォ第2番は、1990年の全集の録音以来、約20年ぶりの再録音。

マズルカ集については、本盤に収められた諸曲は初録音であるが、第22〜25番を2年前に録音しており、マズルカ集の録音としてはそれ以来となる。

とりわけ、録音の間隔が空いたメインの前奏曲集については演奏内容の差が歴然としており、本盤の演奏内容の素晴らしさ、見事さは圧倒的であると言えるだろう。

前回の1974年の演奏は、少なくとも技量においては凄まじいものがあった。

研ぎ澄まされた透明感溢れるピアノタッチという表現が当てはまるほどであり、古今東西のピアニストによる前奏曲集の演奏の中でも巧さにおいては群を抜いた存在であるとも言えた。

ただ、音質がやや硬質でもあったリマスタリングやSHM−CD化がなされていない従来CD盤で聴くと、ピアノの硬質な音と相俟って、機械的な演奏に聴こえてしまうきらいがあり、聴きようによっては、あたかも機械仕掛けのオルゴールのようなイメージもしたところである。

ところが、本演奏は、そのような問題はいささかも感じられない。

超絶的な技量においては、老いても綻んでいるとことは殆どないと言えるが、何よりも、演奏全体にある種の懐の深さを感じさせるのが素晴らしい。

スコア・リーディングの深みも大いに増しているとも思われるところであり、細部におけるニュアンスの豊かさ、心の込め方には、尋常ならざるものがある。

このような含蓄のある演奏を聴いていると、今やポリーニは真に偉大なピアニストになったと評しても過言ではあるまい。

次いで、スケルツォ第2番が素晴らしい。

前回の演奏では、ほぼ同時期に録音されたポゴレリチの演奏が衝撃的であったせいか、今一つ喰い足りないものを感じさせたが、今般の演奏は、それを補って余りあるほどの偉大な演奏に仕上がっている。

卓越した技量を披露しつつも、彫りの深さ、内容の濃さにおいては近年のピアニストを寄せ付けないだけの高み達しており、おそらくは現代のピアニストによる同曲の演奏の中でも最高峰の名演と評しても過言ではあるまい。

他の併録曲もいずれも素晴らしい名演であり、本盤こそは、ポリーニの円熟と充実ぶりを大いに感じさせる名アルバムと高く評価したい。

音質は、ピアノ曲との相性が抜群のSHM−CDであり、本盤の価値をより一層高めることに大きく貢献していることも忘れてはならない。

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classicalmusic

早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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