2014年03月25日

朝比奈隆&都響のブラームス:交響曲第1番


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朝比奈隆のレパートリーの中核となっていたのは、ブルックナーやベートーヴェンの交響曲であり、ブラームスの交響曲もそれに次ぐ存在であった。

ただし、あくまでも私見ではあるが、朝比奈が遺したブラームスの交響曲全集の録音は、大阪フィルや新日本フィルなど複数を数えているものの、ブルックナーやベートーヴェンの交響曲の演奏と比較すると、今一つ冗長と言うか、面白味に欠けるような気がするのだ。

スケールは雄大であるが、細部におけるニュアンスの込め方に今一つ欠けているというのが、そのような気にさせる要因であると言えるのかもしれない。

良く言えば、細部に拘泥しない恰幅の良さ、悪く言えば大味な演奏とも言えるのではないだろうか。

ブルックナーやベートーヴェンの交響曲とは異なり、ブラームスの交響曲の場合、細部における細やかな表現の在り様は、演奏を行うに際しての生命線とも言えるだけに、朝比奈の演奏のアキレス腱ともなっていると言えるところだ。

しかしながら、本盤に収められた東京都交響楽団とのライヴ録音だけは超名演だ。

朝比奈による数あるブラームスの交響曲第1番の演奏の中でも最高の名演であるにとどまらず、同曲演奏史上でもトップクラスの超名演と高く評価したい。

本演奏におけるアプローチは、これまでの朝比奈による同曲の演奏と基本的には何ら変わるところはない。

スケールは雄渾の極みであり、細部に拘らず、ブラームスがスコアに記した音符の数々を恰幅よく鳴らし切るという、いわゆる直球勝負のスタイルによる演奏だ。

そして、あたかも重戦車が進軍するが如き重量感に溢れており、その力強さは、同曲演奏史上でも空前にして絶後の凄まじいまでの強靭な迫力を誇っている。

加えて、これまでの朝比奈によるブラームスの交響曲演奏の唯一の高いハードルにもなっていた細部におけるニュアンスの込め方についても、何故か本演奏においては、どこをとっても独特の表情付けがなされるなど、過不足なく行われていると言えるところである。

したがって、本演奏は、例によって繰り返しを忠実に行うなど、全体を約53分もの時間を要してはいるが、これまでの朝比奈による同曲の演奏のように冗長さを感じさせるということはいささかもなく、隙間風が一切吹かない内容の濃さを有していると言えるところだ。

いずれにしても、本演奏は、スケールの大きさと細部への入念な配慮を両立し得た稀有の名演と言えるところであり、朝比奈としても、会心の出来と評すべき超名演と言えるのではないだろうか。

それにしても、東京都交響楽団のうまさを何と表現すればいいのであろうか。

東京都交響楽団は、崇敬する朝比奈を指揮台に頂いて、ドイツのオーケストラに決して負けないような重厚かつ重量感溢れる豪演を展開しており、本演奏を名演たらしめるのに大きく貢献しているのを忘れてはならない。

DSDマスタリングによる鮮明な高音質も見事という他はない。

ただ、DSDマスタリングをするのであれば、これだけの素晴らしい超名演であるだけに、SACD盤で発売して欲しかったと思うクラシック音楽ファンは筆者だけではあるまい。

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早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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