2014年03月26日

メンゲルベルク&コンセルトヘボウのチャイコフスキー:交響曲第6番「悲愴」(1941年盤)


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当盤は1937年の有名な「悲愴」ではなく、メンゲルベルクが1937年録音のハウリングを嫌い、1941年に再度「悲愴」をスタジオ録音したものである。

指揮者メンゲルベルクの比較的後期に当たる録音であるが、その演奏はロマンに満ち溢れ、現代の数ある指揮者でも決して辿り着けない究極のロマンがここにある。

この「悲愴」を初めて聴いた人は絶句するに違いない。

作曲家グリーグも、若き日のメンゲルベルクの「悲愴」を聴いて打ちのめされたそうだ。

これほどまで雄大で濃密な「悲愴」は空前絶後で、メンゲルベルクはあらんかぎりの個性を投入し激しくデフォルメしながら、チャイコフスキーの狂おしい情熱を極限まで高めることに成功している。

地滑りのようなテンポの緩急、すすり泣くようなポルタメント、むせかえるほどの音色の熱気、全てが呪術的なオーラを放っている。

古臭いという声も聞かれるが、これこそ19世紀感覚の演奏かもしれない。

まさに、メンゲルベルクの個性が最も良く出た演奏の一つであろう。

特に第1楽章ではテンポを大きく揺さぶり、更に第2主題で大きく弦を震わせてはポルタメントで聴く者をうっとりさせながら、後半ではSPというレンジの狭さを感じさせないほどのダイナミックな表現をしている。

その凄まじいまでの手法はまさに絶品で、この楽章の終盤での静寂部では、その余韻までもが聴く者を離さない。

第2楽章でも、ロマンティシズムに溢れる歌わせ方は第1楽章同様で、まさに情緒溢れる表現で歌わせている。

第3楽章は打って変わって豪快な棒さばきで進んでいく。

とどめは終盤、ここで大見得を切ったメンゲルベルクはテンポをガクッと落とした後、SPの狭いレンジをフルに使ってパワーを全開させ、アッチェランドをかけて突っ走っていく。

そしてラストはお得意のリタルダンド!

もっともこの手法は当時では珍しくないようで、フルトヴェングラーやアーベントロートも同様にテンポダウンしている。

そして最終楽章はまさに慟哭するような表現に終始している。

時折テンポを大きく変えながら、弦を震わせてはポルタメントを有効に活用し、聴く者にふと幻想を抱かせるような演奏である。

1937年録音と1941年録音、どちらが好むかは人それぞれであろうが、いずれにせよメンゲルベルクのロマンが集約された「悲愴」と言えよう。

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早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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