2014年03月30日
ワルター&ニューヨーク・フィルのモーツァルト:交響曲第35番「ハフナー」/マーラー:交響曲第4番(1953年ライヴ)
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ブルーノ・ワルター最盛期の名演を、仏ターラ社の優れたリマスタリング技術によって復刻。
本作は正規盤初出のため音質が鮮明で、気力充実したワルターの指揮ぶりを堪能できる1枚。
最近では、ワルターのステレオ録音は彼本来の持ち味がかなり失われているという意見が広まっているようである。
豊麗にして端正闊達でありながら熱いエネルギーがあるというワルターならではの不思議な音楽の魅力は、ニューヨーク時代の演奏、とりわけライヴ録音に顕著に出ているのであるが、海賊盤はほとんどが音が悪くてあまり顧みられることはなかった。
この1953年のライヴは音も鮮明で、ワルターの深い音楽性がほぼ完全な形でとらえられた優秀な音質によって、地鳴りのするような迫力に満ち、気力充実したワルターの魅力を満喫できる。
「ハフナー」は、宇野功芳氏も「翌日のスタジオ録音よりもさらに凄まじい。テンポの変動、ホルンの最強奏、これこそアンチ・ロココのモーツァルトだ」と絶賛しているし、ライヴならではの気迫がみなぎるワルターの指揮は圧倒的だ。
マーラーの第4番も、少々のっぺりしたスタジオ録音とは大違いで、これは思っていたのと全然違う、音に生気と喜びが満ち溢れ、天上の音楽を何とも愛おしく聴かせてくれる。
深くまろやかでコクがあり、甘美で高雅な薫りが溢れ、しかも痛ましいほどの狂気が垣間見える。
ワルターの振るマーラーの「第4」といえば、他に1945年のニューヨーク・フィル盤や1960年のウィーン・フィル(告別コンサート)盤などが有名であるが、それらと比較してもこの1953年のニューヨーク・フィル盤が一歩秀でている。
とにかくニューヨーク・フィルの音に厚みがあり、血が通った演奏である。
ゼーフリートの声も清らかな声も素晴らしく、これぞ官能の極みと言えよう。
「ハフナー」はまさに沸騰するかのような活力が、マーラーでは耽美的な朗々たる歌が、それぞれ何と魅力的なことであろうか。
スコアの解析ばかりに執着して温もりのないマーラーや、ピリオド奏法そのものを売りにして中身の伴わないモーツァルトなど「真っ平御免!」という方は必聴。
まさに“本物の音楽”がここにあり、比較的良好な音質で味わうことができるのを大いに喜びたい。
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