2014年04月04日
カラヤンのR.シュトラウス:楽劇「ばらの騎士」(廉価盤)
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カラヤンは広範なレパートリーを誇る指揮者であったが、その中でもオペラの分野においては、演奏内容の水準の高さにおいても他の指揮者の追随を許さない存在であった。
このようなカラヤンが最も愛したお気に入りのオペラの一つは、R・シュトラウスの楽劇「ばらの騎士」であったと言うのは論を待たないところだ。
カラヤンは、本盤に収められた演奏のほか、同曲の録音をDVD作品を含め、ウィーン・フィルとともに2度にわたってスタジオ録音を行っており、それらも素晴らしい名演であるとは言えるが、カラヤンによる同曲の演奏の最高峰は、まさしく本演奏である。
それどころか、本演奏は、様々な指揮者による同曲のいかなる名演にも冠絶するとともに、カラヤンが行った数多くのオペラの録音の中でもトップの座を争う至高の超名演と高く評価したい。
本演奏は、まず何と言ってもカラヤンの指揮が素晴らしい。
壮年期のカラヤンならではの颯爽とした音楽性豊かな指揮ぶりが見事であり、第1幕の終結部の元帥夫人がオクタヴィアンに諭す場面の表現の何とも言えない味わい深さや、第3幕の有名な三重唱は至高・至純の美しさを誇っている。
カラヤンがその後ウィーン・フィルとともに行った録音では、これらの箇所においてはとても本演奏のような魅力はないと言えるところであり、カラヤンとしてもこれは空前にして絶後の絶妙な表現と言えるのではないだろうか。
歌手陣も豪華極まりないと言えるところであり、元帥夫人のエリーザベト・シュヴァルツコップを筆頭に、オクタヴィアン役のクリスタ・ルートヴィヒ、オックス男爵役のオットー・エーデルマン、そしてゾフィー役のテレサ・シュティヒ=ランダル、ファニナル役のエーベルハルト・ヴェヒター、さらには歌手役のニコライ・ゲッダなど、これ以上は求め得ないキャスティングの素晴らしさ、そしてその歌唱の凄さにただただ圧倒されるのみである。
オーケストラはフィルハーモニア管弦楽団であるが、本演奏ではウィーン風の実に味わい深い名演奏を繰り広げており、いささかの不満を感じさせるものではない。
録音も、従来盤でも比較的満足できる音質である。
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