2014年04月03日
ミュンシュ&パリ管のベルリオーズ:幻想交響曲[SACD]
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ベルリオーズの幻想交響曲はミュンシュが最も得意とした曲のひとつであり、パリ管弦楽団の記念すべき最初のコンサートでの演目でもあった。
先般、その1967年11月14日に行われたパリ管弦楽団発足コンサートにおけるライヴ盤(アルトゥス)が発売されたことから、当盤は若干その価値を下げたと言えるが、演奏の安定性と言う意味では優れている面も多々あり、現在においても、ミュンシュを代表する超名演の座を譲ってはいない。
前述のコンサートに臨む前に、数日間かけてスタジオ録音された演奏ではあるが、とてもスタジオ録音とは思えないような圧倒的な生命力を感じさせる豪演だ。
第1楽章から終楽章まで、ミュンシュの指揮は阿修羅の如き突進で燃えに燃えまくっており、聴いていて手に汗を握るほどだ。
創設されたばかりのパリ管弦楽団も、これだけの快速のテンポであるにもかかわらず、一糸乱れぬアンサンブルを保っており、管楽器も弦楽器も最高の技量を示している。
発売当初から名盤の誉れ高い究極の演奏であり、熱き力の漲った、熱気溢れる超名演である。
ミュンシュ&パリ管弦楽団の黄金コンビが遺した録音は、本盤を含め4枚のCDのみであり、これらの演奏の質の高さに鑑みて、ミュンシュのあまりにも早すぎる死を残念に思う聴き手は筆者だけではあるまい。
これだけの歴史的な超名演だけに、これまで様々な高音質化の取り組みがなされてきたが、HQCD盤にしても今一つ音場が拡がらない、そして音がクリアに鳴り切らないという問題が解消されなかったというのは否めない事実である。
しかしながら、先日、ついに待望のSACD盤が発売された。
これは、マスターテープを下にしたということもあって、そもそも従来盤とは次元が異なる高音質であり、音場の拡がりも音質の鮮明さにおいても全く申し分がなく、おそらくは究極の高音質SACDと高く評価したい。
そして、ミュンシュ&パリ管弦楽団の歴史的超名演をこのような高音質SACDで味わうことができるのを大いに噛み締め、熟聴したい。
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