2014年04月05日
シェルヘン&ウィーン国立歌劇場管のマーラー:交響曲第7番「夜の歌」
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マーラー録音創世記の名盤!
あたかもライヴのような、流れを重視した現代ではあり得ないテイク。
シェルへンのこの録音のマーラーは、ウィーンの国立歌劇場のオケを採用しており、言うまでも無くかつてマーラーと関係の深かったオケの後継者達によるものなのだ。
前述したクレンペラー盤とともに、「第7」の最高を分け合うもうひとつの峰である。
全曲を貫く集中力とエネルギー、それでいて、ただの熱血漢の演奏ではなく、きわめて理知的なスコアの読みと合理的な音楽運びが光る。
シェルヘンは、この斬新な作品を1911年にオスカー・フリート指揮(ベルリン初演)で聴いた初々しい感動を忘れていないのだ。
まるで少年のようなひたむきさと、大人の知恵の両刀で、この巨大な作品に立ち向かっている。
長年行方不明だったこの演奏のマスターテープが発見され、優秀な国内盤CDで復刻されたとき、『レコード芸術』の批評に、「音が古くて、細部が判別できない」旨が書かれていた(残念ながら評者名は不明)が、いったいどんな装置で聴いたのだろう。
「モノーラル=古い=音が悪い」という固定観念をお持ちの気の毒な評者と思われる。
1950年代には、モノーラル録音技術がかなり完成されていたことも知らないのであろう。
また、この大曲をこれだけのクオリティで録音した偉大な先人たちへの敬意のかけらも見られないとは、想像力の欠如も甚だしい。
とりわけ当盤は、エンジニアの夏目久生氏とディレクターが拘りを持って製作した、入魂のデジタル時代のアナログ・ルネッサンスソフトによるもので、聴き慣れたはずの名盤がヴィヴィッドに蘇ったことを大いに喜びたい。
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