2014年04月12日
ワルター&フランス国立放送管のブラームス:交響曲第2番/ハイドン:交響曲第96番「奇蹟」(1955年ライヴ)
この記事をお読みになる前に、人気ブログランキングへワンクリックお願いします。
ブラームスの交響曲第2番には、いちいち採り上げるまでもなく、自分の好んでいるCDがたくさんある。
この曲には、いつも皮肉や毒舌しか口から出てこないブラームスと違って、終始機嫌が良く、朗らかな作曲家の姿が映し出されているが、それにぴったりと合っているのが、このワルター&フランス国立放送管盤である。
ワルターの指揮は燃えるような情熱でオーケストラを引っ張っているが、オーケストラ側は引っ張られているというよりも、ワルターの音楽を完全に自分たちの響きとして消化吸収し、それを思い切り発散している。
これは指揮者とオーケストラの、ある意味では理想的な形であろう。
それに、オーケストラ全体の明るめの色調もこの曲にはふさわしい。
第1、第2楽章あたり、ワルターならではの幻想的な魅力にあふれた部分は多々あるが、それにしても凄いのはフィナーレで、このCDの最大の聴きどころであろう。
恐ろしいくらいの超スピードなのだが、フルトヴェングラーやミュンシュのような暑苦しさや危険なスリルというものはなく、ひたすら爽快である。
スピード感も熱気もことによるとニューヨーク・フィル盤を上回り、コーダはいよいいよ燃え立って実演ならではの灼熱を見せるのである。
このときワルターは78歳だが、それを考慮すると信じがたい若々しさであり、最盛期のような名演と言っても過言ではあるまい。
ハイドンの「奇蹟」は、前年のニューヨーク・フィル盤と酷似した表現だが、フランスのオケによるライヴだけに、このほうがワルターの言いたいことがはっきりわかる。
なおこのCDは音質は乾いているが、仏ターラ社の優れたリマスタリング技術によって復刻されたもので、鮮度は抜群だ。
また他レーベルでも同一の演奏が出ているが、このCDほどの音は期待できない。
ところで、クラシック音楽情報ならこちらがオススメです。
人気ブログランキング
フルトヴェングラーのCDなら、 フルトヴェングラー鑑賞室。