2014年04月14日

ワルター&NBC響のマーラー:交響曲第1番「巨人」(1939年ライヴ)


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1939年4月8日 ニューヨークでのライヴ録音だが、この当時の放送録音でマーラーを味わうには無理があり、弱音部のニュアンスが捉えられていないのが致命的だ。

逆に強音部はうるさくなってしまう。

オケの音の出し方に含みがないので尚更と言えよう。

とはいえ、ワルターの第1回目の「第1」としての価値は高い。

第1楽章の若々しいテンポの張りとコーダの物凄い加速、第2楽章の嵐のように荒れ狂うスケルツォと、まるでウィンナ・ワルツのように力を抜き、速いテンポで洒落た表現をするトリオ、いつも積極的に語りかけるフィナーレ。

興味深いのは、マーラーがしつこいくらい指定した弦のポルタメント奏法をほとんど無視していることで、これがワルター個人の趣味なのか、あるいはマーラー自身の演奏もこの程度のものだったのか、今の指揮者がやたらと感じてもいないポルタメントを多用するのを聴くにつけ、考えさせられる。

ワルターこそは、元祖マーラー指揮者とも言うべき人なのであるが、どうも最近のマーラー指揮者とは少し雰囲気が違っている。

基本的に複雑系であるはずのマーラーの複雑さをそのまま提示はしないで結構バッサリと整理しているのだ。

このNBC交響楽団とのライヴ録音もそうだし、有名な晩年のコロンビア交響楽団とのスタジオ録音でもそうだ。

おそらくワルターという人はTPOに合わせて演奏スタイルをガラリと変えられる指揮者だったのだ。

もう少し具体的にいうと、アメリカとヨーロッパで2つの顔を使い分けている。

アメリカでは男性的な引き締まった演奏をしているかと思えば、ヨーロッパでは別人かと思うほどのロマンティックな演奏を展開していた。

このような単純な図式化は誤解を招きそうだが、言いたいのは、ワルターの本質はそのような状況に合わせて自分のスタイルを変えることができる、それも(これが大切なのだが)、驚くほど高いレベルで変えることができるところにあると思う。

ここで聴くことのできるNBC交響楽団との演奏でも、これほどまでに濃厚に青春のメランコリーを感じさせてくれる演奏はなかなかなく、流石と言うしかない。

それからもう一つ強調しておきたいのは、NBC交響楽団の素晴らしさである。

弦楽器群の美しさはまさに全盛期のウィーン・フィルのようだ。

コロンビア交響楽団とのスタジオ録音は編成の小ささからくる響きの薄さが悔やまれるだけに、貴重なライヴ録音と言える。

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