2014年04月19日

エル=バシャのシューベルト:即興曲集


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ショパンのピアノ名曲集やベートーヴェンのピアノ・ソナタ集、ラヴェルのピアノ曲全集、そして何よりも忘れ難いバッハの平均律クラヴィーア曲集第1巻の名演で名高いピアニスト、エル=バシャによる待望の新譜の登場だ。

曲目はシューベルトの即興曲集であるが、コンサートではたびたび採り上げてきた得意のレパートリーであるだけに、満を持してのスタジオ録音ということが言えるだろう。

同曲には、様々なピアニストによる多種多彩な名演が目白押しであるが、本盤のエル=バシャによる演奏は、その中でも最も美しい名演と言えるのではないだろうか。

「ベヒシュタインD−280」という使用しているピアノによるところも大きいとは思うが、それ以上に、エル=バシャによるアプローチが素晴らしい。

スコアに記された音符を一音たりとも蔑ろにしない精緻な演奏を基軸としているが、いわゆる人工的な技巧臭とはおよそ無縁の演奏であり、どこをとっても楽曲の美しさだけが描出されているのが見事である。

もちろん、エル=バシャによる演奏が、表面上の美しさだけを追求したものでないことは言うまでもない。

シューベルトのピアノ曲は、親しみやすい旋律には満たされているものの、どこをとっても独特の寂寥感が満ち満ちている。

したがって、スコアに記された音符の表層をなぞっただけの演奏では、楽曲の美しさを表現することができても、シューベルトが同曲に込めた意味合いや楽曲の真の魅力を描出することは不可能であると思われるところだ。

スコアに記された音符の行間に込められた楽曲の心眼にまで徹底して目を行き届かせた演奏をすることが必要不可欠となってくるが、エル=バシャによる本演奏は、かかる点においても何ら問題はなく、各旋律における表現の彫りの深さにおいてもいささかも不足はないと言えるだろう。

その意味においては、エル=バシャによる本演奏は、美しい中にも内実をともなったものと言えるところであり、まさにシューベルトのピアノ曲演奏の理想像の具現化とも評価し得るものと言える。

前述のように、同曲には海千山千のピアニストによって多種多彩な名演が成し遂げられているが、エル=バシャによる本演奏は、それらの名演と比較しても十分に存在価値のある偉大な名演と言えるのではないかと考えられるところだ。

いずれにしても、本演奏は、エル=バシャが、その実力を余すことなく発揮した素晴らしい名演と高く評価したい。

音質も素晴らしいの一言。

エル=バシャによる美しさの極みとも言うべきピアノタッチが鮮明に再現されるのはSACDならではのものであり、あらためてSACDの潜在能力の高さを思い知った次第である。

このようなエル=バシャによる素晴らしい名演をSACDによる超高音質で堪能できることを大いに歓迎したい。

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早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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