2014年04月29日
ノイマン&チェコ・フィル/ドヴォルザーク:チェロ協奏曲(フッフロ)&ヴァイオリン協奏曲(スーク)
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ドヴォルザークが作曲した協奏曲は、作曲年代順にピアノ協奏曲、ヴァイオリン協奏曲、チェロ協奏曲の3曲が知られている。
ピアノ協奏曲については、若書きであるせいもあって、リヒテル&クライバーによる名演で知られてはいるものの、いささか魅力に乏しい作品と言わざるを得ない。
チェロ協奏曲が、あらゆる作曲家によるチェロ協奏曲の中でも玉座の地位を獲得している不朽の名作であることは衆目の一致するところであるが、ヴァイオリン協奏曲も、ドヴォルザークならではのチェコ風の民族色溢れる美しい旋律に満ち溢れた名作であり、録音もチェロ協奏曲ほどではないものの、比較的多いところだ。
本盤には、そうしたチェロ協奏曲とヴァイオリン協奏曲をカップリングするという極めて珍しいCDであるが、両演奏ともに、演奏者がチェコ出身者で固められているということもあり、まさにチェコの民族色を感じさせる魅力的な名演奏であると言えるのではないだろうか。
とりわけ、チェロ協奏曲については、かつてのカザルスをはじめとして、ロストロポーヴィチ、マイスキーなど、世界的なチェリストがスケール雄大な名演の数々を成し遂げてきているが、本盤に収められたフッフロの演奏は、そうした海千山千のチェリストの演奏と比較すると、雄大なスケール感とか超絶的な技量という点においては、はっきり言って太刀打ちはできないと言わざるを得ないところだ。
しかしながら、演奏の端々から漂ってくる野趣溢れるとも言うべきチェコ風の情感豊かさと言った点においては、そうした世界的チェリストによる演奏よりも味わい深いと言えるところであり、演奏内容の総体としては、決して劣っているものではない。
少々表現は悪いが、豊かな自然に囲まれたチェコの片田舎を思わせるようなひなびた情緒があるとも言えるところであるが、こうした独特の味わい深さこそが本演奏の最大の魅力であると言っても過言ではあるまい。
人工的な美の世界に毒されている都会人である多くの聴き手に一服の清涼剤を与えるかの如き演奏とも言えるところであり、筆者としては、現代においてこそ希少価値のある極めて優れた名演と評価するのにいささかの躊躇をするものではない。
ヴァイオリン協奏曲については、フッフロのチェロ演奏と同様のことがスークのヴァイオリン演奏にも言えるところであり、楽曲の性格からしても、チェロ協奏曲以上にその性格に合致した素晴らしい名演と高く評価したい。
ノイマン&チェコ・フィルによる演奏も、フッフロのチェロ演奏やスークのヴァイオリン演奏を見事にサポートするとともに、両曲のチェコ風の民族色を全面に打ち出した見事な名演奏を繰り広げている点を評価したい。
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