2014年05月02日

セル&クリーヴランド管のシューベルト:交響曲第9番「ザ・グレート」&付随音楽「ロザムンデ」より


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本盤に収められたシューベルトの交響曲第9番「グレート」は、セル&クリーヴランド管弦楽団による2度にわたる同曲のスタジオ録音のうちの最初のものである。

全盛期のセル&クリーヴランド管弦楽団の演奏はそれは凄いものであった。

セルは、同じくハンガリー出身の先輩であるライナーや、ほぼ同世代のオーマンディなどとともに、自らのオーケストラを徹底して鍛え抜いた。

その結果、オーケストラ史上でも稀にみるような、あらゆる楽器セクションの音色が一つの楽器が奏でるように聴こえるという「セルの楽器」とも称される鉄壁のアンサンブルの構築に成功したところであり、セルは、まさに自らの楽器を用いて数々の演奏を行っていたのである。

そのアンサンブルの精緻さは、聴き手の度肝を抜くのに十分ではあったが、あまりの演奏の緻密さ故に、メカニックとも言うべきある種の冷たさを感じさせたのも否めない事実であり、名演の名には値するものの、感動という点からするといささかコメントに窮する演奏も多々存在したとも言えるところだ。

本盤の演奏も、全体の造型の堅固さ、そして一糸乱れぬアンサンブルを駆使した演奏の緻密さにおいては、同曲の他のいかなる演奏にも引けを取らないハイレベルに達しており、その意味では名演の名に十分に値するが、最晩年の1970年の演奏と比較すると、ゆとりというか、味わい深さにいささか欠けているのではないかとも思われるところである。

したがって、セルによる同曲の代表盤ということになれば、最晩年の1970年盤を掲げることにならざるを得ないが、いわゆるセルの個性が全面的に発揮された演奏ということになれば、本演奏を掲げるのにいささかも躊躇するものではない。

いずれにしても、本演奏は、今一つゆとりというか、鷹揚なところがあってもいいのではないかと思われるところもあるが、セル&クリーヴランド管弦楽団の全盛時代を代表する名演として高く評価したい。

他方、併録の劇音楽「ロザムンデ」からの抜粋については、1967年というセルの死の3年前の演奏ということもあり、交響曲第9番「グレート」よりも懐の深い演奏に仕上がっていると言えるのではないだろうか。

セルも1960年代後半になると、クリーヴランド管弦楽団の各団員に自由を与え、より柔軟性に富んだ味わい深い演奏を行うようになってきたところであり、本演奏においてもそうしたセルの円熟の至芸を存分に味わうことが可能である。

各旋律の端々からは豊かな情感に満ち溢れた独特の味わい深さが滲み出していると言えるところであり、おそらくは同曲の演奏史上でも、ベーム&ベルリン・フィルによる名演とともにトップの座を争う至高の超名演と高く評価したい。

音質は、録音年代が古いこともあって、従来盤は今一つ冴えないものであったが、Blu-spec-CD盤が発売され、これまでの従来盤のいささか劣悪な音質を一新するような十分に良好な音質に生まれ変わったところである。

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classicalmusic at 00:57コメント(0)トラックバック(0)シューベルト | セル 

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早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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