2014年05月03日

カラヤン&ウィーン・フィルのブルックナー:交響曲第8番 [DVD]


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1988年11月、ウィーン・ムジークフェラインザールにて収録したDVDで、同年のジルベスター・コンサートに次ぐ最晩年の録音となった。

カラヤンにとって3度目の録音となったブルックナーの交響曲第8番で、演奏はウィーン・フィル。

カラヤンがオーケストラからマーラーの官能美さえ思い起こさせるような耽美的な美しさを引き出しているだけではなく、信じられないような迫力のある名演で、すべてが厳しく聴き手に迫ってくる。

一般的には緻密さよりも情緒的表現を重視した演奏と言われるが、むしろ両者が高い次元で融合した点にこのDVDの価値はある。

確かに演奏中のカラヤンの表情を見るとブルックナーの音楽に深くのめり込み、その美しさに身を任せているように見える部分もあるが、画面を消して音楽だけ聴くとカラヤンならではの完成度の高い演奏であることが良く分かる。

そこではヴァントや朝比奈隆では表現できない美しいブルックナーが表現されており、騒々しいとも言われるこの交響曲かくも美しく表現できるのはカラヤンならではである。

かといって迫力に欠けるわけでもなく、第1楽章から終楽章まで静寂と怒涛が聴く人を圧倒させる。

ウイーン・フィルのアンサンブルに難点があるのは周知の事実ではあるが、この曲ではそれを感じさせず、その艶やかな音色がたまらない。

この曲の持つ「逞しさ」よりも「美しさ」に徹した、カラヤン最晩年の名演である。

また、洗練された中にも何故かオーストリアの民族的な要素を感じさせる素朴な味わいが見え隠れする演奏でもあり、晩年のカラヤンがウィーンへと回帰したのが良く分かる内容を持っている。

ユニテルに残された1970年代の演奏も捨てがたいのだが、どちらか1枚と言われれば、こちらをお薦めしたい。

ただし、かなり独特な味わいを持ったブルックナーだと思うので、聴く人によって好みが大きく分かれそうではある。

ブルックナーの交響曲では第9番が未完成であるために、第8番が最高傑作と言えるが、ブルックナーを愛したカラヤンの数あるDVDの中でも名盤中の名盤である。  

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早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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