2014年05月03日
カラヤン&ウィーン・フィルのブルックナー:交響曲第8番/シューマン:交響曲第4番
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シューマンの「第4」は、1971年盤より冒頭から真摯で重厚、最もシンフォニックな魅力に満ちた劇的な演奏で、一本筋の通ったドラマの確かな手応えがある。
第1楽章から独自のルバートを駆使しているが、耽美的と言えるほど美しく、音楽的にも自然だ。
第2楽章は極めて内面的・情緒的な表現で、ヴァイオリン独奏も流麗このうえない。
第4楽章では流麗さの内部にあふれんばかりの気迫がみなぎり、爆発し、凄絶極まりない。
これはカラヤン美学の極致だろう。
ブルックナーの「第8」は3回目の録音で、既にあらゆる讃辞が寄せられている有名な録音。
カラヤンの楽譜の読みは細かく、深く、ディテールまで徹底した表情に、味わいと意味深さが感じられる。
特に第3楽章は見事な表現であり、ウィーン・フィルの管弦の美しさには形容の言葉もない。
第4楽章は実に克明に3つの主題の性格が表出されている。
コーダの壮麗さは比肩するものがない。
カラヤンが最後に到達した晴朗な境地が、ここに示されている。
いずれもカラヤン最晩年の研ぎ澄まされた無心の境地と言うべき演奏で、ウィーン・フィルのサウンドをひたすら磨き上げ、完璧なアンサンブルを実現させている。
人間の力でここまで美しい音楽を奏でられるというのは、何と凄いことなのかと改めて驚嘆させられる。
輝かしい音の美に満ちた演奏で、最後のカーテンも幕引きしたのは、如何にもカラヤンらしい終わり方だった。
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