2022年10月23日
ウィーン国立歌劇場🍱こけら落としの上演🎭ベームのベートーヴェン:歌劇『フィデリオ』💑ライヴ録音としては最上級の音質🎚️比較を絶した熱気と高揚⚡
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1955年11月5日 ウィーン国立歌劇場こけら落としの上演のライヴ(モノラル)録音であるが、最初に音質の驚異的改善から報告しなくてはならない。
この時代のライヴ録音としては最上級の出来栄えではなかろうか。
丁寧な作業から鮮明に浮かび上がったのは、まず歴史的公演の恐るべきテンションの高さ。
この演奏にはライヴならではのおよそ比較を絶した熱気と高揚があり、そのことが指揮者、歌手、オケ、合唱の気迫が音からひしひしと伝わってくる。
『フィデリオ』に思い入れのあるベームは、残された『フィデリオ』の録音すべてが名演であるが、中でもこの1955年の再建記念公演は気合の入り方が違っている。
ベーム特有の芯のある音を要所要所に立て、それを柱としてがっちりと音楽を組み立てている。
ベームが低音を抉りつつ、弦に高音を輝かしく強奏させ、立体的、かつ美しくも強靭な響きで音楽を構築していく様子は、今回のCD化で初めて明らかになった。
解釈の基本はベルリンやドレスデンでの録音と同じ路線にあるが、しなやかさ、美しさを増した当盤の魅力は大きいものがある。
長いベームの音楽歴においても、特筆すべき名演である。
歌手がまた大物揃い。
フルトヴェングラーのお気に入りのドラマティック・ソプラノで、彼がEMI録音でもレオノーレ役に起用したマルタ・メードルがここでもレオノーレ。
ウィーンのモーツァルト・テノールとして名高いアントン・デルモータがフロレスタン。
偉大なバリトン、パウル・シェフラーが凄みのあるピツァロ。
ワーグナー・バスとして一世を風靡したルートヴィヒ・ヴェーバーが味のあるロッコ。
そして名花イルムガルト・ゼーフリートがマルツェリーネ。
ウィーンの人々に愛されたテノール、ヴァルデマール・クメントがヤキーノと、まさに1950年代のウィーンを代表する歌手ばかりで、まさにオールスター・キャストと言えよう。
当時のベスト・メンバーを集めた歌手陣が、1人1人熱演しているのはもちろんだが、アンサンブル・オペラとしての行き方を堅持していた時代のウィーンらしい、密度の高いチーム・ワークを聴かせる。
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