2014年05月12日
スターン/ローズ/イストミンのメンデルスゾーン:ピアノ三重奏曲第1番&第2番
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メンデルスゾーンの室内楽曲の中でも、弦楽八重奏曲とならんで人気の高いのがこのピアノ三重奏曲。
特に第1番は、チャーミングなメロディが横溢する佳品として、古くから親しまれてきたもの。
カザルスやルービンシュタイン、ハイフェッツといった巨匠たちもトリオを組んで録音を残しているが、ここで聴けるスターン/ローズ/イストミンのトリオによる演奏は、まさに知・情・意のバランスが取れた奇跡的な名演奏だ。
メンデルスゾーンの音楽は、みずみずしい美しさを湛えつつも、どこかしら哀感が漂わせるものが多い。
ピアノ三重奏曲はその最たるものであり、メンデルスゾーンの特色を体現した室内楽曲の佳作である。
本盤に収められたスターンがヴァイオリンをつとめる両演奏は、歴史的な名演と言われるものであるが、スターンが決して突出した演奏をしているわけではなく、ピアノとチェロとの間で調和のとれた演奏を心掛けている点が、名演と言われる所以だと思われる。
このようなアプローチによって、我々はメンデルスゾーンのピアノ三重奏曲の魅力を満喫することが出来るのであり、その意味では、室内楽曲演奏の規範ともなるべき演奏とも言えるだろう。
この録音を特徴づけているのは、スターンの異様なテンションの高さで、なんという華のある、艶やかで色っぽい音だろう。
また、この曲のピアノ・パートの難しさはその辺のロマン派のコンチェルト以上と言ってもいいくらいであるが、イストミンのピアノは沈着冷静、盛り上げるところは盛り上げ、抑えるところは抑え、知的なプレイでトリオをまとめあげている。
チェロのローズは一歩下がって、スターンをバックアップする姿勢。
2曲とも3つの楽器の音のバランスが良いので、やや聴こえにくいチェロの音までよく聴こえる。
Blu-spec-CDの音質向上効果は目覚ましく、この歴史的名演をより鮮明な音質で聴けるようになった意義は大きい。
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