2014年07月14日
アラウのリスト:ピアノ作品集[SACD]
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リスト直系のクラウゼ門下だったピアニスト、クラウディオ・アラウの最円熟期の名盤として知られる1枚。
ユニバーサルミュージックが手掛けたSACD&SHM−CDシリーズの第1弾であり、当盤こそついに理想が実現した画期的なディスクであった。
それまでSHM−CDとXRCDとの組み合わせはあったが、理論的には可能なSACDとの組み合わせをなぜ行わないのか疑問を感じていただけに、当時のユニバーサルによるSACD&SHM−CDの発売は、大変喜ばしいことであった。
しかも、SACDが、一般的なハイブリッドではなくシングルレイヤーであることも、SACDの潜在能力を最大限に活かすものとして素晴らしい。
ガラスCDはともかくとして、コストパフォーマンスを考慮すれば、現在望み得る最高の高音質の可能性を秘めた、まさに理想のディスクということが言えるだろう。
ネット配信がこれだけ普及し、CDがすたれていく傾向にある中で、しかも一度SACDを撤退したユニバーサルが、このような理想のSACDを発売したことは快挙であり、大いに歓迎したい。
SACDという高音質を追求する規格と、コスト面でガラス円盤より圧倒的優位に立ちながら、透明性と流動性に優れたSHM素材の組み合わせは、音楽配信が普及する昨今においてCDという媒体に新たな付加価値を与えている。
そして、実際に聴いてみたところ、そうした期待を裏切らないような別次元の音質であった。
今から約40年前の録音であるが、そのような音質の古さなどいささかも感じさせず、眼前でピアノが演奏されているのではないかとの錯覚を起こさせるような、クリアで重量感溢れる音質が再現されている。
今後とも、ユニバーサルには、こうしたSACD&SHM−CDをシリーズで発売していただくことを心よりお願いしたい。
演奏は、既に定評ある超名演であるが、これだけの鮮明な音質を聴くと、もちろん超名演との評価はいささかも変わることがないものの、これまで聴いていたのとは異なる別の演奏を聴いているような気がしたが、そう感じたのはおそらくは筆者だけではあるまい。
それにしても1970年録音というアラウ最盛期と思われる時期の録音がSACDになったことは大変喜ばしい。
ピアノ・ソナタはアラウのテクニックと音楽性が十分に響き渡っている。
また、「孤独の中の神の祝福」も彼独特の間の取り方や、情緒が伝わってくる。
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