2014年06月16日
ザンデルリンク&ベルリン響のシベリウス:交響曲第1番、第6番
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ザンデルリンク、ベルリン交響楽団とのベスト・コンビネーションが評判のシベリウス・シリーズからの1枚。
独墺系の指揮者によるシベリウスの交響曲は大変珍しい。
シベリウスの交響曲を頻繁に採り上げた指揮者としては、ザンデルリンクのほか、カラヤンしかいないと思われるが、カラヤンは、録音予定はあったものの第3番をついに録音することなく世を去ったこともあり、今のところ、ザンデルリンクは、シベリウスの交響曲全集を完成させた独墺系のただ一人の指揮者と言える。
ザンデルリンクのシベリウスは、いかにもドイツ風の重厚な性格の演奏だ。
落ち着いた音色、程良い力感、程良い歌い込み、ザンデルリンクの持ち味がシベリウスの音楽とマッチした演奏。
シベリウスを得意とする北欧や英国系の指揮者とは、一線を画するユニークなものであり、シベリウスを得意とした同じ独墺系のカラヤンの耽美的な(楽曲によっては劇的な)演奏とも大きく異なる。
前述のように、野暮ったいほどドイツ的な性格を帯びており、あたかもブラームスの交響曲を指揮するかのように、造型美と重厚さを全面に打ち出した演奏である。
しかしながら、よく聴くと、旋律の歌い込みであるとか、節度ある情感の豊かさであるとか、はたまた、無機的には決して陥らない力感であるとか、非常に考え抜かれた解釈された表現であることがよくわかる。
要は、巧言令色とは薬にしたくもなく、噛めば噛むほど味わいが出てくる内容豊かな演奏ということができる。
したがって、シベリウスの交響曲演奏としては、前述のようにユニークとも言えると考えるが、シベリウスの本質をしっかりと捉えた演奏ということができるところであり、名演と評価しても過言ではないものと考える。
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