2014年05月17日

ベーム&ベルリン・フィルのモーツァルト:交響曲第40番&第41番「ジュピター」[SACD]


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ベームは独墺系の作曲家を中心とした様々な楽曲をレパートリーとしていたが、その中でも中核を成していたのがモーツァルトの楽曲であるということは論を待たないところだ。

ベームが録音したモーツァルトの楽曲は、交響曲、管弦楽曲、協奏曲、声楽曲そしてオペラに至るまで多岐に渡っているが、その中でも1959年から1960年代後半にかけてベルリン・フィルを指揮してスタジオ録音を行うことにより完成させた交響曲全集は、他に同格の演奏内容の全集が存在しないことに鑑みても、今なお燦然と輝くベームの至高の業績であると考えられる。

現在においてもモーツァルトの交響曲全集の最高峰であり、おそらくは今後とも当該全集を凌駕する全集は出て来ないのではないかとさえ考えられるところだ。

本盤に収められた交響曲第40番及び第41番は当該全集から抜粋されたものであるが、それぞれの楽曲の演奏史上トップの座を争う至高の超名演と高く評価したい。

第40番であれば、ワルター&ウィーン・フィルによる名演(1952年)、第41番であれば、ワルター&コロンビア響による名演(1960年)などが対抗馬として掲げられるが、ワルターの優美にして典雅な演奏に対して、ベームの演奏は剛毅にして重厚。

両曲ともに、厳しい造型の下、重厚でシンフォニックなアプローチを施しているが、それでいて、全盛時代のベームの特徴であった躍動感溢れるリズム感が、演奏が四角四面に陥るのを避けることに繋がり、モーツァルトの演奏に必要不可欠の高貴な優雅さにもいささかの不足もしていないのが素晴らしい。

いい意味での剛柔バランスのとれた名演に仕上がっていると言えるだろう。

ベームは、両曲を1976年にもウィーン・フィルとともに再録音しており、演奏全体としては枯淡の境地さえ感じさせるような深沈とした趣きの名演ではあるが、ベームの特徴であったリズム感が硬直化し、音楽の自然な流れが若干阻害されているのが難点であると言えなくもない。

また、この当時のベルリン・フィルには、フルトヴェングラー時代に顕著であったドイツ風の重厚な音色の残滓があり(カラヤン時代も重厚ではあったが、質がいささか異なる)、ベームのドイツ正統派とも言うべき重厚にして剛毅なアプローチに華を添える結果となっていることも忘れてはならない。

モーツァルトの交響曲の演奏様式は、最近ではピリオド楽器の使用や古楽器奏法などによる小編成のオーケストラによる演奏が主流になりつつあるが、本盤のような大編成のオーケストラによる重厚な演奏を耳にすると、あたかも故郷に帰省した時のような安定した気持ちになる聴き手は筆者だけではあるまい。

本演奏は、このように歴史的な超名演であるだけに、SHM−CD化やルビジウム・カッティングなどの高音質化への不断の取組がなされてきたが、今般のシングルレイヤーによるSACD&SHM−CD化によって、そもそも次元が異なる圧倒的な超高音質に生まれ変わった。

いずれにしても、ベームによる歴史的な超名演をこのような極上の高音質SACD&SHM−CD盤で味わうことができるのを大いに喜びたい。

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classicalmusic

早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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