2014年08月14日

ワルター&ウィーン・フィルのブラームス:交響曲第1番、他


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ワルターの女性美がこれほど前面に押し出された演奏も少ないだろう。

曲が男性的な迫力に満ちたものだけにいっそう目立つ。

彼はティンパニや金管を極端に抑え、木管の色彩を排除し、ダイナミズムの角をことごとくすりつぶして、スケールの小さいロマンの世界を明滅させるのだ。

両端楽章のどこにも劇的な力みが見られず、陶酔的なまでに柔らかく、上品でエレガントである。

ブラームスの指定したアクセントまで無視して流麗に運んでしまう。

終楽章のコーダに入る直前、この最高の盛り上がりにおいて、むしろディミヌエンドを感じさせるところにこの演奏の特徴が集約されている。

危険な美しさとはこのようなものをいうのだろう。

音楽的に考えればこんなばかなことはないが、ワルター&ウィーン・フィルの感じたままであるせいか、完成、円熟していて、どこにも物足りなさや不自然さがない。

これは驚くべきことである。

しかもテンポの大きな動きは常軌を逸するほどで、たとえば第1楽章再現部直前の崩れるようなリタルダンド、終楽章の経過句における凄まじいアッチェレランドなど特に甚だしい。

前者ではドラマティックな効果よりはむしろ頽廃を感じさせ、後者ではリズムが上すべりして少しも激しくなく、意外に効果が弱くなってしまった。

一つにはウィーン・フィルの楽員がワルターの表現を知り尽くして、気分の高揚を伴わずに表現するせいもあるのだろう。

印象的に美しいのは第3楽章で、ここはウィーンの高貴な夢である。

実に小味だ。

また終楽章の導入部で弦が疾風のように降りてくるところは、32分休符が生きて不健康の極を示す。

クレメンス・クラウスの儚さとは違うが、ワルターの女性的な天性はこのブラームスに最もよく表われているのではないだろうか。

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早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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