2014年05月24日
ワルター&ベルリン・フィルのモーツァルト:交響曲第40番/ブラームス:交響曲第2番(1950年ライヴ)
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1950年9月25日 ワルター&ベルリン・フィルのコンサートの実況録音。
モーツァルトの第40番は、表現のスタイルはウィーン盤に似ているが、上行ポルタメントは見られず、ワルターとしては何でもなく開始される。
テンポもごくふつうだ。
ところが、13小節眼の上昇音階で急にポルタメントが掛かり、大きなクレッシェンドと共に甘美な雰囲気が濃厚となる。
すなわち1929年盤にそっくりなのである。
もちろん偶然の一致だろうが、この表情がベルリンのオーケストラだけに聴かれるのは興味深い現象だと思う。
再現部の例のルフトパウゼはこの1950年盤にはすでに現われている。
第2楽章は強調されたレガート奏法で開始される。
それゆえモーツァルトのとぼとぼした足どりは弱められているが、その代わり4小節の終わりから急にピアニッシモにする寂しさが何とも言えない。
展開部の切迫してゆくような速いテンポも、この盤独特のものである。
メヌエットからフィナーレにかけては、低弦の威力が随所に感じられ、他の盤には見られないベルリンの味を伝えているのである。
ブラームスの第2番は、ベルリン・フィルの上に自然に乗った指揮ぶりである。
従ってニューヨーク盤やフランス国立放送盤のような踏みはずした迫力はないが、最も抵抗なく味わえる完熟の演奏であり、もちろんワルターならではの幻想的でロマンティックな歌は充分だ。
このワルター最盛期の名演を、仏ターラ社の優れたリマスタリング技術によって復刻された良好な音質で味わえるのを喜びたい。
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