2014年05月27日

ワルターのモーツァルト:レクイエム、他(1956年ライヴ)


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モーツァルトの《レクイエム》で最高のモーツァルト解釈者といわれたブルーノ・ワルターの演奏は、音楽の構成を明確に保ちながら、豊かな感情を肉付けしている点で比類がない。

ワルターは1956年に、ニューヨークとウィーンでこの曲を録音したが、ウィーンでの録音はライヴであり、演奏には集中力が強い。

1956年ウィーンにおけるモーツァルト生誕200年記念演奏会のライヴ録音が、ワルター&ウィーン・フィルとなれば、ファンの目つきは変わらざるを得ない。

ライヴのためか冒頭はややあやふやに聴こえるところもあるが、中盤からは楽器も声もエンジンがかかり、見違えるばかりに生命力をとり戻している。

後半はもう完全にワルターの世界に同化させられてしまう。

教会的な雰囲気とか、宗教感といったものにこだわらず、、いわゆるモーツァルト的なスタイルも無視して、音楽そのものを彫り深く描きつくした演奏である。

オーケストラもコーラスも力一杯鳴っており、緊迫感と威厳と壮麗さにあふれているところから、これを演奏会風の解釈と呼んでも良いと思うが、しかしながら速めのテンポで全曲をきりりと造型し、一切の無駄を省いた指揮ぶりは、やはり〈純音楽風〉といったほうが適していよう。

従ってスケールも決して大きくはない。

その若き日のリハーサルに「怒りの日」を歌うコーラスに向かって、「あなた方はまだ歌おうとしている。もっと死の恐怖を叫んでください」と言ったワルターの表現は、晩年にいたって昇華されつくしている。

コンサートの前に楽屋の片隅でモーツァルトの霊と交信しているところが見られたと伝えられているワルターが、この《レクイエム》についても同じことをしたかどうかは知らない。

しかし、モーツァルトの最高の解釈者のひとりとしての真価は、このウィーン・フィルとの演奏にも明らかにされている。

《レクイエム》のテキストにモーツァルトが込めた感情を、ワルターは優れたバランス感覚で表現しており、演奏は威厳と優美な情感を漂わせている。

これほど納得のいく演奏はない。

デラ・カーザ(S)マラニウク(A)デルモータ(T)シエピ(Br)といった豪華なソリスト、そして合唱団、オーケストラのすべてが充実した演奏を聴かせる。

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早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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