2014年05月28日
カラヤン&ベルリン・フィルのベートーヴェン:交響曲第3番「英雄」/「レオノーレ」序曲第3番/「エグモント」序曲
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本盤に収められた1970年代に録音された「エロイカ」であるが、録音当時(1976、77年)は、カラヤン&ベルリン・フィルの黄金コンビの全盛時代であった。
名うてのスタープレイヤーが数多く在籍していた当時のベルリン・フィルは、一糸乱れぬ鉄壁のアンサンブル、ブリリアントなブラスセクションの朗々たる響き、桁外れのテクニックを披露する木管楽器の美しい響き、そしてフォーグラーによる雷鳴のようなティンパニの轟きなどが一体となった圧倒的な演奏を展開していた。
カラヤンは、これに流麗なレガートを施し、まさにオーケストラ演奏の極致とも言うべき圧倒的な音のドラマの構築を行っていた。
それはこの「エロイカ」においても健在であり、これほどの圧倒的な音のドラマは、普門館ライヴ録音は別格として、クラシック音楽演奏史上においても空前にして絶後ではないかと考えられるほどの高みに達している。
もちろん、カラヤンは本全集における各曲の演奏においては音のドラマの構築に徹していることから、各楽曲の精神的な深みの追求などは薬にしたくもない。
実は筆者が初めて買った「エロイカ」のLPがこの燃えるカラヤン盤だった。
当時、クラシックのレコードを選ぶのは難しいと感じていた筆者の場合、迷ったら“カラヤン”だった。
カラヤン&ベルリン・フィルは、最高峰というイメージを未だに抱いている。
カラヤンを聴いてから、他の指揮者に向かうのが、筆者にとっての基本形だったのである。
それ故インプリンティングされてしまったせいか、今聴いても実にかっこよく、香りたつようなような音楽で、これ以外の「エロイカ」は物足りなく感じてしまうのである。
速めのテンポだが、曲そのものの本質をしっかりとつかんでいる。
カラヤンらしく、アダージョは美しく荘厳に、フィナーレは快速に、どの楽章もあくまで華麗に演奏されていて、何度聴いても飽きない。
1960年代に録音された序曲と共に聴いてて気持ちの良い名演と言えよう。
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