2022年10月15日
ムソルグスキー:展覧会の絵🖼️スケールの大きなベルマンのピアノ🎹華麗なオーケストレーション🎻カラヤン&ベルリン・フィル🎺贅沢な競演🏟️
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友人であったヴィクトル・ハルトマン(ガルトマン)の遺作展での10枚の絵画の印象を、その半年後の1874年に音楽に仕立てたというムソルグスキーの「展覧会の絵」。
もちろんオリジナルはピアノ曲、クーセヴィツキーの編曲依頼によるオーケストラ版はラヴェルの手によるもの。
当盤は原曲のピアノ版とラヴェル編曲のオーケストラ版とをカップリング。
起伏に富んだスケールの大きなベルマンのピアノと、華麗なオーケストレーションをたっぷり堪能できるカラヤンの演奏との贅沢な競演だ。
ブラスセクションの活躍のシーンが多いオーケストラ版は、絶頂期のカラヤン指揮のベルリンフィルによるもの。
ここではそのベルリン・フィル自慢のブラスセクションが切れ味鋭い演奏を聴かせてくれている。
カラヤン指揮の下、あらゆるシーンにフレキシブルに対応してゆく各パートの鮮やかな演奏力は流石である。
特に最後の“キエフの大きな門”の冒頭に至る部分から、ラストまでは、鳥肌もの。
さすが全盛期のカラヤン&ベルリン・フィルの盛り上げ方は、素晴らしい。
この録音は“キエフの大きな門”での、鐘の音の強弱の変化が激しいが、オーケストラの中で、打楽器を、これだけ強弱をつけて打ち鳴らすというのは、奏者はもちろん、指揮者にも相当、自信がなければ出来ないことだと思う。
その点でも画期的な演奏だ。
そして後半のピアノ版。
ピアノの弦が切れてしまうのでは!?というほどの豪快な打鍵が特徴でもあったベルマンのピアニズムはこの曲においては抑えられ、丁寧さを優先した演奏に徹しているが強打鍵ぶりは健在だ。
オーケストラ版の後に聴いても、あまり音数のさみしさを感じさせない。
“リモージュの市場”における均整のとれた鮮やかな表現、そして“バーバ・ヤーガの小屋”から“キエフの大きな門”にかけての堂々たる演奏は、もはやベルマンの真骨頂である。
古くはホロヴィッツやリヒテルの歴史的録音に肩を並べ得る演奏ではないだろうか。
ベルマンの「展覧会の絵」は、現在このセットリストでしか入手できないので、貴重である。
“カラヤン”“ベルリンフィル”“ベルマン”という3つのブランド力を差し引いても十分にすばらしいディスクだ。
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