2014年05月29日

フルトヴェングラー&ウィーン・フィルのベートーヴェン:交響曲第9番「合唱」(1952年ライヴ)


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激しく強烈な壮年の演奏から、穏やかに全てを見通したような最晩年の達観した演奏へと変貌していくフルトヴェングラーの境地がうかがえる。

ウィーン色が濃いことも特徴で、ウィーン・フィルの美麗な弦と木管が豊かに歌う第3楽章は、格別の魅力を湛えている。

殊のほか音がいいのに驚いた。

筆者の感性の問題なのか、非常にいい音で鳴っているように感じる。

基本的に同演異盤を買いあさるような趣味はないのだが、この演奏の魔力にとりつかれて、独協会盤、デルタ盤と聴いてきて満足がいかず、購入した。

独協会盤は聴きやすいものの、倍音が削がれて、電子楽器みたいで、実在感を感じず、デルタ盤は楽器の生音は聞こえてくるものの、シャリシャリして、線が細く、広がりを欠き、両者に今ひとつ満足できないでいたが、この仏ターラ盤は高音域が若干カサつくものの、弦楽器の広がりがあり、管楽器も楽器の生音が聞こえてきて、大方満足のいくものであった。

演奏はもしかしたら「バイロイトの第九」を凌ぐ素晴らしい演奏かもしれない。

第1楽章開始の遅いテンポと間合いを十二分にとった重々しい表現はバイロイト盤を凌ぎ、強靭に踏みしめてゆくフーガも素晴らしいし、楽章終結のティンパニも凄絶に鳴っている。

もう一ヶ所、印象的なのが第3楽章の第2主題で、音量を強く出し、遅いテンポでじっくりと歌ってゆく美しさは、フルトヴェングラーの演奏でもベストの一つと言えよう。

倒れる前のまだまだ元気なフルトヴェングラーは持ち前の柔軟な指揮ぶりを発揮し、最も芸術的と称される、しかも黄金期のウィーン・フィルはその素晴らしい音色を遺憾なく発揮している。

全体を通して、弦楽器のボルタメントなどのウィーン風の節回しが表情豊かで、管楽器もまろやかで暖かい響きで、演奏全体に歌心を感じる。

そして、フルトヴェングラーの独特の揺らぎに瞬時に反応して、素晴らしい演奏を聴かせている。

解釈はバイロイトに通じる劇的なものであり、さらに即席のバイロイト祝祭管にない演奏の完成度が感じられる。

このCDは筆者にとっては音質も満足できるものであり、筆者の重要な愛聴盤の1枚になりそうだ。

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早稲田大学文学部哲学科卒業。元早大フルトヴェングラー研究会幹事長。幹事長時代サークルを大学公認サークルに昇格させた。クラシック音楽CD保有数は数えきれないほど。いわゆる名曲名盤はほとんど所有。秘蔵ディスク、正規のCDから得られぬ一期一会的海賊盤なども多数保有。毎日造詣を深めることに腐心し、このブログを通じていかにクラシック音楽の真髄を多くの方々に広めてゆくかということに使命を感じて活動中。

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