2014年05月30日
メニューイン&フルトヴェングラーのブラームス:ヴァイオリン協奏曲/フルトヴェングラー&ルツェルン祝祭管のシューマン:交響曲第4番
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ブラームスのヴァイオリン協奏曲は、フルトヴェングラーとしてはわりにおとなしい、どちらかといえば地味な造型だが、響き自体はまことに立派で風格があり、内に秘められた過剰さを伴わぬ気迫が見事である。
しかし、これがベルリン・フィルだったら、いっそうこくのある表現になったことは疑いを入れない。
メニューインはフルトヴェングラーを心から尊敬しているヴァイオリニストだが、確かに指揮者への傾倒がにじみ出ており、まことに純情、真摯である。
やや線は細いが心がいっぱいにこもって、しかも粘りすぎず、表現上の特徴こそ今一歩とはいえ、フルトヴェングラーともども、音楽が豊かに湧き上がってくることを買いたい。
シューマンの「第4」は有名なドイツ・グラモフォンの録音の3ヶ月後、ルツェルン音楽祭で指揮したライヴ。
ライヴにこそ本領を発揮すると言われたフルトヴェングラーの特質が如実に捉えられるもので、ほの暗いロマンに彩られた、生命力みなぎる名演。
完璧無類のグラモフォン盤の後に聴いても引けを取らない名演だ。
なんといってもライヴの音がして、音に命がこもっているのである。
晩年のフルトヴェングラーだけに実演だからといって踏みはずすことなくベルリン・フィル盤の良さをそのまま保ちつつ、やはり気迫が違うのだ。
第1楽章の出もそうだし、フィナーレ冒頭の弦の刻みの生きていること、主部の第1主題の語りかけなど、ベルリン・フィル盤を上まわる。
ベルリン・フィル盤はSACDされ高音質になったため、録音が同レヴェルなら、筆者はこのルツェルン盤の方を採りたいくらいである。
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