2014年05月31日
フルトヴェングラー&ウィーン・フィルのマーラー:さすらう若人の歌(ペル)/ベートーヴェン:交響曲第3番「英雄」(1952年ライヴ)
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マーラーの「さすらう若人の歌」では、フルトヴェングラーは音楽を完全にものにしきっており、オン・マイクの録音のせいもあって、F=ディースカウとのスタジオ録音よりもさらに積極的な部分が多い。
弦の心のこもった音色は本当にすばらしく、第1曲、中間部最後のソロ・ヴァイオリンのロマンティックなポルタメントなど、前盤には見られなかったものだし、同じく中間部の木管も含めた小鳥の歌の可憐な鮮やかさも最高だ。
ペルは声がやや大味で、豊かな声で朗々と、心を込めて歌ってゆくが、高音がちょっと苦しいせいか、リズムが崩れるマイナスがないでもない。
しかし、そのために、時には身につまされるような野暮ったいくらいの歌心が伝わってくる。
「エロイカ」は有名なスタジオ録音直後のライヴだけに、同じスタイルを基本としながら、それに即興性を加えたものとなった。
音質は硬いが明快だ。
感銘深いのは第1楽章、レコーディングの後なのでアンサンブルがきっちりと仕上がり、テンポには緊迫感があり、しかも緩急の動きはこの方が大きい。
それでいて最晩年の様式である枯れた味が全篇に流れ、その中に炎の核がほの見えるところがすばらしい。
つづく第2楽章はオーボエの気持ちのこもった歌とか、低弦のフォルティッシモをすごいテヌートで弾かす即興性など印象的な場面もあるが、中間部の盛り上がりやその後のフガートはもう一つだ。
スケルツォからフィナーレにかけてはあまり上出来ではない。
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