2014年05月30日
ギーゼキング&フルトヴェングラーのシューマン:ピアノ協奏曲(1942)/フルトヴェングラー&ベルリン・フィルのブラームス:交響曲第4番(1943)
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シューマンのピアノ協奏曲は、フルトヴェングラーとギーゼキングの唯一の協演盤であり、ベルリン・フィルの定期公演における実況盤である。
フルトヴェングラーの特徴は第1楽章に顕著だ。
冒頭和音の気迫、続いて入るピアノとのずれがいかにも彼らしく、木管による第1主題が始まると、心のこもった情感がいっぱいに漂ってくる。
この楽章で彼が言いたかったのは暗い人間の心だったのだ。
中間部初めのクラリネットや再現部の第1テーマはさながらしのび泣きを想わせる。
ギーゼキングも珍しく情緒的な演奏で指揮者に応えている。
第2楽章のフルトヴェングラーはやや歌い過ぎてデリカシーを欠き、第3楽章もわりに冴えない。
しかしコーダの加速はおそらく彼の示唆であろう、スムーズに決まっている。
ブラームスの第4番は、ベルリン・フィルの定期の実況録音で、当時のものとしては響きが豊かだ。
演奏は有名な1948年盤に酷似しているが、オケの状態はこの方が良いくらいである。
特にポルタメントを多用した弦の甘美さが際立っている。
しかし表現の厳しさや深みはさすがに5年後の演奏に及ばず、思い切りの良い決め方も今一歩だ。
このディスクだけを採ればもちろん名演だが、解釈が似ているだけに価値はうすい。
音質はどの復刻CDよりも自然な実在感と生命力にあふれる情報量豊かな再生音をオーパス蔵の復刻盤は持っている。
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