2014年05月30日
フルトヴェングラー&ウィーン・フィルのフルトヴェングラー:交響曲第2番
この記事をお読みになる前に、人気ブログランキングへワンクリックお願いします。
フルトヴェングラーは初め作曲家を志し、途中で指揮者に転向したのだが、作曲への情熱を捨てきれず、忙しい指揮活動の合間をぬっては作品を発表した。
交響曲は4曲あり、それらの中では1945年に完成した「第2番」が最も有名である。
4つの楽章から成り、後期ロマン派風の響きと内容による長大な音楽だが、色彩的な効果は意識して避けられ、地味で真摯な内容を持つ。
第1楽章は憧れとおののきに満ち、第2楽章ではしっとりとした佇まいが移りやすく変化してゆく。
第3楽章のスケルツォはたいへん魅力的なテーマを持ち、曲想やオーケストレーションにユニークな味わいを見せる。
フィナーレは昔の思い出のような序奏に始まり、高まって勝利の朝を迎える。
アレグロ・モルトの主部は明るいものくると思いのほか、苦味にあふれ、特にモデラートの第2主題以降、展開部にかけては意味深い訴えがすばらしい音楽美とともに進み、全曲中、最も感動的な部分と言えよう。
その後はやや凡長なきらいもあるが、コーダの盛り上がりは果たして勝利なのだろうか。
懐疑的な色がぬぐえないからだ。
初演は1948年2月22日、ベルリン・フィルの定期公演で行われたが、残念ながら録音は残されていない。
本CDは1953年ムジークフェラインザールでのライヴ録音。
個々の楽器はよくとらえられているし、明快でもあるが、ホール全体の溶け合った、豊かな響きに欠ける。
そのせいか、ヴァイオリンの甘美さとか、オーボエの音色などにウィーン訛りが強く、フルトヴェングラーの曲を聴く、という意味においては物足りなさが残る。
しかしフルトヴェングラーの同曲の数種の録音の中で、入手しやすいCDは当盤のみであり、その意味では貴重な録音と言える。
ところで、クラシック音楽情報ならこちらがオススメです。
人気ブログランキング
フルトヴェングラーのCDなら、 フルトヴェングラー鑑賞室。