2014年06月01日
ザンデルリンクのマーラー:交響曲第9番/ショスタコーヴィチ:交響曲第15番【SHM-CD仕様】
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マーラーから聴き始めたが、演奏はさすがに素晴らしいものだ。
バルビローリのようにロマンが沸々とたぎるようなものではないが、第1楽章からなかなか息の長いフレージングでぐいぐいと引っ張っていってくれる。
この指揮者の懐の深さは尋常ではない。
複雑に入り組んだポリフォニックなスコアをこうも見事に解きほぐされて、反応の良い素晴らしいアンサンブルによって供されると、もう筆者は深く心から満足し、マーラーの世界に浸っていられる。
ソロの部分、特にヴァイオリンのソロに今ひとつ美感を感じないのは惜しい。
木管はとても良いだけに、画竜点睛を欠くと言ったところか…、玉に瑕であって、価値をそれほど落とすものではないが。
クルト・ザンデルリンクのマーラーはこの演奏の十年ほど前にBBCフィルハーモニーを振ったものを持っている。
こちらの方が更に熱く、情熱的に感じられるし、完成度も高いが、フィルハーモニア盤も完成度という点では負けていない。
BBC盤の手に入る可能性が少なくなっている現在、フィルハーモニア管を振ったこの録音は貴重だ。
次いで、ショスタコーヴィチの第15番である。
これも1978年にベルリン交響楽団とドイツ・シャルプラッテンに録音していて、何度もCDで発売されているので、お持ちの方も結構いるだろう。
解釈がそれほど変わっているわけではないので、別によほどのことがない限り、両方持っていなければならないというほどのものでないが、第2楽章がより深刻さと幻想味を増しているように思われる。
オケもクリーヴランド管弦楽団になっていて、さすがに上手い。
しかし、旧東ドイツの威信をかけて録音した旧盤のベルリン交響楽団の上手さも尋常でない。
この2つの演奏も甲乙つけがたい出来映えだが、筆者は旧盤の方に少し愛着がある。
このレビューを書くために2つの大作を連続して聴くのはなかなか骨が折れる作業であった。
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