2014年06月04日
カラス&E・クライバーのヴェルディ:歌劇「シチリア島の夕べの祈り」
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1951年5月28日 フィレンツェ5月音楽祭でのライヴ録音。
カラスのミラノ・スカラ座デビュー直前の「シチリア島の夕べの祈り」音源で、ここで絶賛を浴び、カラスのサクセス・ストーリーが始まった。
カラスはその後同曲を録音しておらず、彼女の「シチリア島の夕べの祈り」唯一盤である。
13世紀に、フランス王族の支配するシチリア島で起きた、イタリア住民の暴動と虐殺事件「シチリアの晩祷事件」を題材にとったこの作品も、筆者は結構聴かず嫌いだったかもしれない。
ヴェルディ作曲当時の、イタリア統一の機運にはぴったりの題材だと思うが、フランスが悪役とも言えるこの題材を、パリ・オペラ座からの依頼で、グランド・オペラ初挑戦の作品としてヴェルディがよく取り上げたものだと思う(フランス革命後だから、フランスの王族が悪役ならOKなのか)。
指揮はなんとエーリッヒ・クライバーである。
息子は結構イタリア・オペラを振っているが、筆者の知っている限り、エーリッヒ・クライバーのイタリア・オペラはこれのみのはずだ。
他のイタリア・オペラと違う何かがあるから(グランド・オペラ・スタイルだからか)エーリッヒ・クライバーが振ったんだろうか。
肝心の音楽だが、元来このオペラはあまり評判がよろしくないのだが、いつも通りのエーリッヒ・クライバーの厳しい音作りで一気呵成に聴かせるし、カラス(メキシコの「アイーダ」同様、たぶん楽譜に無いであろう最高音を聴かせてくれる)そしてロシアの名バス、クリストフをはじめ歌手陣も申し分ない。
しかし残念なことにカラスとエーリッヒ・クライバーが共演したのは後にも先にもこの時だけとなった。
観客も熱狂的である。
ただし、音はあまりよろしくない。
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