2014年06月07日
トスカニーニ ヴェルディを振る
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この熱気あふれるヴェルディを聴けば、トスカニーニを新即物主義の化身と見なす評価がいかに的外れなものかがわかるだろう。
魂の底から湧き上がるカンタービレや緩急自在に揺れ動くテンポなど、オペラ全盛期に生を受けた巨匠ならではの至芸が堪能できる逸品。
「リゴレット」は、NBC交響楽団を指揮したライヴ録音で、コンサート形式といっても第4幕だけで、これも本来は全3幕なのを3幕後半だけ切り離して4幕構成にしたバージョンだとか。
だから30分くらいしかないが、でも聴き応えは十分で、ともかく、これは素晴らしい。
音もかなりよくて、歌に関してはほとんどステレオ並みに楽しめる。
中でも公爵のスケベな歌、〈女心は雲のように…〉、ここなんかちょっと甲高い、やや軽薄な感じで歌ってるので、いかにも好色漢のお気楽な歌という感じがする。
ドミンゴが歌ったのもあるけど、ドミンゴだとちょっと声があまりに清らかな感じがして、軽薄さが出てないと思う。
それとジルダがスパラフチーレ、マッダレーナの殺しの話を聞く場面。
ここもゾクゾクするほど弦を磨き上げていて、気持ちがいいほど緊張感を盛り上げてくれる。
NBC響の合奏力で聴く者を圧倒してしまって、「どうだ」と言う感じだ。
歌手たちの息もピッタリで、巨匠の前ではずすなんてとんでもないという雰囲気。
そして最後の場面、娘が身代わりになったと気づいて「おお…ジルダ…」とリゴレットが嘆くところ、ウォーレンの歌も心がこもっている。
いかにも慈愛に満ちた父親の感じがして、グッと悲劇的な感情が高まって、歌手の迫真の演技に息を飲む…、それから管弦楽が一挙に大音量になって壮絶に終わる。
オーパス蔵の復刻も成功している。
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